新生児をベッドに放り投げ頭蓋骨骨折 乱暴な看護師は妊娠中だった?
生後間もない小さな命、赤ちゃんをなぜそこまで乱暴に扱うことができるのか。
病院内で起きている人権侵害や虐待の行為は、犠牲者でも出ないとなかなか明らかにならない。今、韓国でそんな一例が大きな関心を集めている。
■生後5日で頭蓋骨骨折
韓国・釜山にある私立の産婦人科病院で先月20日の深夜、生後5日の女の赤ちゃんが呼吸困難に陥り、救急車を要請。検査のため大きな総合病院に救急搬送された。
そこで赤ちゃんが頭蓋骨を骨折し、内出血など脳内のダメージが深刻であることが判明し、医師は事故の可能性が高いことを警察に報告した。
■防犯カメラの映像
赤ちゃんの頭蓋骨骨折がなぜ起きたのか警察は捜査を開始したが、産婦人科病院は自分たちの関与を否定。「転院の救急搬送時に何か強い衝撃が加わったのでは」と、むしろ救急車側の責任を疑ったという。
続いて産婦人科病院内の防犯カメラの映像が確認されたが、問題の10月20日の映像が2時間にわたり削除されており、そこから警察の疑惑はこの病院に集中した。
■新生児を乱暴に扱う看護師
警察は「この映像だけでも、新生児に対する身体的な虐待を疑うには十分だ」として、10月20日の午前1時頃の映像を公開。
それによると、女の看護師が新生児の首を掴んでベッドに放り投げ込んでおり、タオルで顔を引っぱたく、足を持って逆さ吊りにするなど、乱暴に扱っているのは明らかだった。
警察は「同じ行為を10月18日および19日の映像からも確認している」としており、虐待が常態化していた可能性もありそうだ。
■両親の訴えに20万人署名
これに激怒したのが赤ちゃんの両親だった。2人はその後、この産婦人科病院と問題の看護師に厳罰を求めたいとする署名活動を起こし、積極的な呼びかけで20万人以上が協力。
これは韓国政府が対応するために最低限必要な人数であり、その署名はさっそく大統領府の公式ホームページを通じて韓国政府へと提出された。
■看護師は自身も妊娠中
産婦人科病院はすでに閉鎖したが、警察は実は看護師を逮捕できていない。彼女はなんと妊娠中で健康上の配慮を求めており、まだ決定的な証拠を得られていない状況とあって、裁判所が逮捕状を発布しなかったためだ。
「嘘つきの病院長も看護師も許してはならない」と韓国の人々。妊娠中だからこそ、余計に乳児虐待行為を許してはならないという意見も出ている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)