男が偽パスポートで飛行機に搭乗 離陸直前も乗客全員に降機命令
空の旅、特に国際線は何のトラブルもなく予定時刻に到着するだけでもありがたいものだ。
■離陸直前に不穏な連絡
事件はスペインのバルセロナ国際空港で現地の11日の昼に起きた。
乗客すべての着席が済み、アイルランドのダブリンに向け午後12時40分離陸の予定で準備が進んでいたブエリング航空のVY 8720便。そこに「ニセのパスポートを持った男1名が乗り込んだ可能性がある」という不穏な連絡が入った。
■犯人確保だけで終わらず
緊急事態への対応を始めた乗務員たちに異変を感じたのか、1人の男が逃げ込むようにして突然トイレに入り、そこで抵抗。自ら犯行を認めたに等しいその男はほどなく逮捕され、そこで誰もが速やかな離陸を期待した。
だが、それでトラブルが終わるわけではない。男は同機に不審物を持ち込んだ可能性があり、乗客に対するパスポートチェックやセキュリティチェックそのものが疎かだったことが問題視された。
■乗客全員やむなく降機
機長によるアナウンスに従い、離陸直前だった飛行機からやむなく降機させられた乗客全員。積み終わっていたすべての荷物も下ろされ、パスポートや搭乗券、そして荷物などの再びの検査を余儀なくされた。
別の機材が用意されフライトは3時間弱遅れてダブリンに向け出発したが、たった1人の違法行為とそれを見逃していた職員の怠慢なチェックのせいで旅程が狂い、乗客の苛立ちは非常に大きかったという。
■「検査官はもっと真剣に」の声
「セキュリティチェックがずさん」と時おり批判を受けることがあるスペインの航空会社や空港。
2014年にはスペインのアリカンテ国際空港で、イギリスから飛んできた50代の男性が入国管理局で誤って恋人のパスポートを提示したにもかかわらず、スタンプが押されてゲートを通過した。飛行機に乗る際のチェックでもそのパスポートを提示していたという。
危険人物を乗せない、入国させないためのセキュリティチェック。男性は「自分のミスではあるが、彼らももっと真面目に仕事をするべきだ」と訴えていた。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)