飼い主が「花火大会やめて」 連発打ち上げの爆音で子犬が心臓発作死
突然うめき声をあげて息絶えた子犬。飼い主は打ち上げ花火は動物にとって過酷だと訴えた。
■子犬が心臓発作を起こす
英国サウスヨークシャー州のバーンズリーに近いウォムウェル。この町で2日夜、生後18週の子犬が死亡した。心臓発作が原因だった。
飼い主のスーザン・ピーターソンさんはFacebookを通じ、テリア種だという黒毛の「モリー」の悲しい死を仲間に知らせるとともに、当日開催されていたあるイベントに対する抗議のメッセージをつづった。
■打ち上げ連発のショックで
その夜、ピーターソンさんの家の近くでは毎年恒例の大きな花火大会が開催されていた。花火が打ち上げられ「ズドン」という音がする度にモリーはおびえ、四肢を震わせながらキャンキャンと鳴き、花火を怖がっていることは明白だった。
そんな中で異変が起きたのは、花火の打ち上げが連発となり激しい破裂音や爆音が続いた時。うめき声をあげたモリーは崩れ、動かなくなってしまったという。
■その夜はどこも花火大会
イギリスでは5日の「ガイ・フォークス・デイ」という祝日に絡め、11月の最初の週末には各地で花火のイベントが盛大に開催されている。そのため2日の夜は多くの地域で大量の花火が打ち上げられ、犬を連れて平和な町に逃げるという選択肢はなかった。
「花火大会は動物たちを苦しめるだけ。もうやめて」とFacebookで訴えたピーターソンさん。悲しみと怒りが交錯するそのメッセージは、イギリスじゅうの動物愛好家たちにシェアされた。
■花火を売らなくなった店も
イギリスで市販の花火といえば、打ち上げ型のものが主流だ。
だが、その爆音は多くの動物や高齢者に恐怖と強いストレスを与えているとして、有名スーパーマーケット・チェーンの「Sainsbury’s(セインズベリー)」は先月から、そして「Co-op」は5年ほど前からそうした花火の販売を自粛していた。
「だからこそ町の花火大会が楽しみなんだ」と語る人は多い。ピーターソンさんの主張がどこまで理解を得られるか、なかなか難しいものがありそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)