6歳の息子を必死で守った母親 サメに襲われ両腕と左胸を失う
「海は怖い」と言う人が年々増えている。サメはその大きな一因だ。
■遊泳中に襲われる
南太平洋に浮かぶフランス領ポリネシア・ソシエテ諸島の島の一つ、モーレア島。21日、ここで休暇を過ごしていたフランス人の一家がサメに襲われた。
その島ではたくさんの観光客がホエールウォッチングやクルージング、遊泳などを楽しんでいたが、サメが狙いを定めたのは海で泳いでいた6歳の男の子とその母親だった。
■6歳息子を守り抜いた母親
サメが現れたことで、咄嗟に息子をかばった35歳の母親。幼い命だけは守りぬこうと文字通り体を張った彼女は、息子が見ている目の前でサメに襲われ、両腕と乳房を食いちぎられる重傷を負った。
まずは海辺の最も近いホテルの桟橋部分に運ばれ、そこでヘリコプターを待ち、タヒチの大きな病院に空輸されたという。
■肋骨がむき出しに
地元放送局の『ラジオ1』の取材に応じた目撃者は、当時の状況について「女性は両腕を失い、肉のない肋骨も見えていました」「誰もがパニックに陥り、悲鳴をあげていました」などと話した。
また搬送や治療に付き添った看護師は、「非常に重篤ではありますが容体は安定してきています。搬送当時は意識がありました」と説明。女性は両腕の肘から先と左胸を失っているという。
■サメの種類は「ヨゴレ」か
鰭(ひれ)の先端が白かったことから、サメの種類はメジロザメ属のヨゴレ(英名:Oceanic whitetip shark)と見られるとのこと。
稀に人を襲うことがあるが、世界におけるサメ被害のデータが集められた『International Shark Attack File』によれば、その付近でのサメ被害は1580年以降6件しか確認されていないという。
今回の被害はきわめて稀なケースだとはいえ、この後すみやかに安全宣言を出せるわけはない。当局の判断はどうか慎重であってほしいものだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)