小学校で6歳男子児童に性的暴行 元補助教員の男に112年の禁錮刑
少年少女に対する性的虐待・暴行がいかに罪深いものか、母親の手紙は法廷を大きく揺さぶった。
抵抗できないうえ、自分の身に起きたことを家族に話すこともできず、ただ恐怖を抱え込んで震えていた幼い少年。忌々しい小児性的暴行事件を起こした男が、またひとり断罪された。
■112年の実刑判決
米国イリノイ州ケイン郡の小学校に補助教員として勤務していた男が、男子児童複数名に性的虐待や暴行を働いた疑いで逮捕・起訴されていたが、その裁判が郡裁判所でやっと結審した。
現在60代になっていた被告に対しては8月9日に有罪の評決が下り、このほど判事が112年もの禁錮刑を言い渡して話題になっている。
■サッカーチームの指導も
事件は同州カーペンターズビルにあるゴルフビュー小学校(Golfview Elementary School)を舞台に、2015年8月から2016年6月にかけて起きた。
補助教員として雇われ、サッカーチームの指導にもあたっていたカルロス・ベドヤ。この男は、10名を超える男子児童を性的に虐待していた疑いで2017年7月に逮捕されたが、6歳の児童に性的暴行を働いていたことも判明した。
いずれの少年も「このことを誰かに話したら大変なことに」などと脅されていたため家族にもなかなか相談できず、逮捕までにかなりの月日が過ぎていた。
■性格が変わってしまった被害者少年
その法廷に少年と家族が現れることはなかった。その代わり母親がしたためた手紙が法廷で読み上げられ、「幼く無邪気だったが事件を機に性格が変わってしまった」「明るさや子供らしさを取り戻すことはなかった」など、少年が抱えている様々な苦悩が明らかにされた。
さらに「自尊心も生きる希望も失い、息子は今うつ病と闘っています」とも記され、幼い少年が大きな心理的ダメージを負ってしまったことがわかる。
■一生を刑務所で過ごす被告
常に定員オーバーといわれるアメリカの刑務所では、性格がおとなしく従順な性犯罪者は模範囚とみなされ、減刑が認められることが多々ある。だが112年の禁錮刑ではベドヤの出所は叶うまい。
またベドヤはほかの11名の児童に対する性的虐待容疑でも追訴されており、そちらの裁判の行方にも引き続き注目が集まっている。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)