頻発する高齢者による自動車事故 危機感を覚えた人の割合は…
社会問題化する高齢者たち…
2019年は高齢者による自動車事故が頻発。とくに池袋で発生した2人の親子を死なせ、複数人に怪我を負わせた事故は、その後の処遇を含めて世間の怒りを買った。
高齢者の運転に対して「やめさせるべきだ」と声が上がる一方で、高齢者の免許返納は交通網が整備されていない地域ではなかなか進んでおらず、事故が相次いでいる状況だ。
■高齢者の運転に危険を感じたことがある?
社会問題化していながら、対策が進まない高齢者による自動車の危険運転。しらべぇ編集部が全国の10~60代の男女1,721名に実施した調査では、55.5%が「高齢者の自動車運転に危険を感じたことがある」と回答。
判断能力や運動神経が鈍るにもかかわらず、意識だけは昔のままであることが多い高齢者。その運転に危険を感じた人は少なくないのだ。
■地域別に見ると…
高齢者の自動車運転に危険を感じた人を地域別に見ると傾向が出た。
東北の割合が高く、じつに7割が危険を感じた経験を持つ。交通手段が車のみとなっている地域が多く、冬は雪で路面が滑りやすいだけに、目撃する機会も多い様子。
2位には東海地区がランクイン。愛知県は自動車による死亡事故件数が多いため、危ない運転に出会いがちなのかも。
■憤る人に聞くと…
高齢者の危険運転に憤っていると話すのは、トラックドライバーのTさん(40代・男性)だ。
「運転していて危険を感じることはしょっちゅうありますが、その半数が高齢者と言っても過言ではない。個人的に高齢者の危険運転は交通ルールを逸脱した無法運転と、自動車の性能を理解できず、制御しきれなくなっているケースが多いなと感じている。
こっちは仕事でハンドルを握っているので、事故を起こせば飯が食えなくなる。相手が100%悪くても、仕事に影響出るわけですから、避けて通るしかない。それでも限界はありますよ。
あまりスピードがでず、わかりやすい設計の高齢者専用自動車などを早急に造り、一定年齢に達した場合それしか乗れないようにしてもらいたい」
免許返納などを一定年齢になったからといって強制することは、個人の自由を侵害する可能性があるだけに、早期導入は難しいだろう。しかし現状のままではよくないことも事実。社会全体で、高齢者の運転についてどのように対応していくのか考えていく必要がある。
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(文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
対象:全国10代~60代の男女1721名 (有効回答数)