関口宏、五輪マラソンの札幌開催案に苦言 「東京でやるべきものだった」
東京五輪のマラソン・競歩の開催地変更に関して異論
2019/10/20 12:00
■「一筋縄では終わらない」
札幌市の秋元市長は、「大変驚いていると同時に光栄だ。東京2020大会の成功に向け最大限の協力をしていきたい」と述べたが、札幌市の開催に関しては警備やチケットなど問題は山積み。そして、これまでに東京は300億円をかけて猛暑対策を進めてきた。
2016年の東京五輪招致担当課長だった国士舘大学の鈴木知幸客員教授は、
「全体の会場経費が公表されているのは1兆3500億円ということで今作業が進んでいる最中。それにプラスして札幌の経費が加わるとすれば、これは誰が持つんだと一筋縄で終わるとは思いません」
と疑問を呈した。
■「今になってなぜ」
東京オリパラ開催時の立候補資料には、東京について「アスリートが最高の状態でパフォーマンスが発揮できる最高の気候」と書かれていた。実際には五輪開催期間の東京の午前8時の平均気温が29.3℃、湿度79.8%で、選手には危険な状態になることも予想される。
一方新たな候補地の札幌の気温は、レースの終盤となる午前8時でも23.6℃。
国士舘大学鈴木客員教授は、「8月の東京の気候が厳しいことはもともと関係者はわかっていた。今後ほかの競技の変更を求められる可能性もある」と不安視している。これに対して関口は、「ずっと言われていたのに今になってなぜ」と疑問を投げかけた。
■「来年ほんとに大丈夫」
そして、スポーツジャーナリストの中西哲生氏は、「アスリート・観戦者ファーストであってほしいが、商業的な方向に傾いている。こんな環境でやるのであればアスリートが大会でるのをやめようと思ってしまってもおかしくない」と述べ、毎日新聞編集委員の元村有希子氏は、
「IOCの収入の8割が放映権料。それを払っているのがアメリカの巨大ネットワークで、涼しい10月はアメフトやいろんなスポーツがあるからダメと言っている。そして今回組織のコミュニケーション不足が露呈して、来年本当に大丈夫なのか」
と述べた。最後に司会の関口は「東京オリンピックだから、東京でやるべきものだったんですよね」とコーナーを閉めたが、ネット上では、番組に対して、「決まったことに、いちいち文句をつけるな」という声もあがっていた。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)