キレやすい認知症患者同士が乱闘 介護施設に結成された『ファイトクラブ』
介護施設のスタッフは誰もが温かく親切。そう信じて認知症の家族を預けているが…。
介護施設においてスタッフの悩みの1つとなっている、認知症患者・入所者による暴力や暴言。逆上して手が付けられないこともしばしばだという。
■虐待行為の疑いで警察が介入
米国ノースカロライナ州のウィンストン・セーレム市にある認知症対応の入所型介護施設『ダンビー・ハウス(Danby House)』。体に傷が多い入所者について虐待行為を疑う声が寄せられ、今年6月に警察が介入した。
自分の身に起きたことを正確に思い出せず、「ここが痛い」と患部を見せるのが精一杯だった認知症の入所者たち。しかし市警はその施設に『ファイトクラブ』という奇妙な組織が存在することを突き止めた。
■怒りっぽい認知症入所者が対象
今月上旬、市警はその組織を結成したトナシア・イヴォンヌ・タイソン(20)、タネシア・デショーン・ジョーダン(26)、マリリン・ラティッシュ・マッキー(32)の3名を逮捕した。
3名は、日頃から苛立ちや怒りを爆発させがちな認知症の入所者を集め、それぞれに怒りの感情を炊きつけて煽り、彼らの乱闘を大笑いしながら囃し立て、録画すらしていたそう。
■首を絞めるところまで続く乱闘
感情をコントロールし、冷静な思考や行動を維持する大脳の前頭葉と側頭葉が委縮する「前頭側頭型認知症」と呼ばれるタイプの認知症があるが、これを発症すると元の性格に関係なく興奮しやすくキレやすくなることがわかっている。
馬乗りになり相手を叩き、首を絞めるなどする入所者たち。大怪我や窒息の予感がしたところでタイソンらが間に割って入り、その日の『ファイトクラブ』の活動は解散になる。施設ではこんな恐ろしいことが繰り返されていた。
■キレる高齢者は要注意
妙に怒りっぽく、粗暴な言動で周囲を困惑させる高齢者がまれにいる。しらべぇ編集部が全国20~60代の男女1,357名を対象に調査したところ、全体の62.9%が「キレる高齢者を目撃したことがある」と回答していた。
怒る原因も不明、以前は穏やかだったという人においては、精神面でのトラブルのほかに前述のような認知症を発症する可能性もあるとのこと。医療機関を早めに受診するべきケースも多いようだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国20代~60代の男女1,357名 (有効回答数)