揚げ立てをひと飲みで… 男性がノドを火傷し12時間後に窒息死
たとえば肉汁溢れる小籠包。熱々のものをツルンと飲み込むことは非常に危険なことだった。
熱々の食べ物を勢いよく飲み込んでしまい、慌てて冷水を流し込む。そんなアクシデントを経験した人は多いことだろう。だが喉の奥にひどいヤケドを負ってしまうと、命の危険すらあることをご存じだろうか。
■揚げ立ての物を飲み込む
英国グレーター・マンチェスターのボルトンで、結婚式のプランナーとして活躍していた51歳の男性。脳卒中からの克服を経て社会復帰を果たしていた。
しかし今年4月、彼は魚のすり身をハンバーグのような形にして揚げた熱々のフィッシュケーキを試食した際、ゴクンと飲み込んで喉をヤケドしてしまった。ひどい痛みはあったものの、まさかそれが命を奪うほどのアクシデントだとは誰も思っていなかったという。
■恐ろしい喉頭蓋熱傷
男性は痛みを和らげてもらおうと地元の病院を受診し、解熱鎮痛薬のアセトアミノフェンが処方された。だが夜になるにつれ喉頭蓋がジワジワと腫れてきて、下の気管を塞いだことから窒息の状態に陥り、自宅で倒れ搬送先の大病院で死亡した。
このたび検死結果が発表されたが、男性は最も警戒すべき喉頭蓋熱傷に陥っていたことが判明。これは火災で熱い煙を吸い込んで起きる気道熱傷と似ているといい、いずれも特殊な検査器具を用いて初めてわかることだという。
■体調に少しずつ現れた変化
当時の様子について男性と同居していたパートナーは、メディアの取材にこう答えている。
「最初は強い痛みを訴えるだけで元気で会話もできていたのに、夜にはヘンな咳をするようになりました」
「うめき声をあげたので慌てて背中を叩きましたが、彼は気を失い倒れてしまいました」
「死亡したのはフィッシュケーキを試食してからおよそ12時間後のことでした」
また男性を診察した医師は、「彼は多くの人に重要な教訓を残してくれました」と話している。
■甘く見ずに病院へ
熱いものを飲み込んで「喉をヤケドした」と訴える人は少なくない。特に早食いの人は注意が必要であろう。強い痛みや、ものが飲み込みにくい嚥下(えんげ)障害があらわれたら必ず耳鼻咽喉科を受診することが大事だ。
また息苦しさが現れるようなら、この男性のような喉頭蓋熱傷による窒息死の可能性を念頭に入れ、大きな病院を救急で受診するべきだという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)