高架橋崩落で車3台が下敷きに 「過積載トラックが連日何台も通過」と専門家

建設コスト削減や工期の短縮より大切なものがあるはずだが…。

2019/10/13 15:20

陸橋・高速道路
(RoschetzkyIstockPhoto/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

高架橋にとって大敵なのは天災、そして何といっても手抜き工事と過積載トラックのひんぱんな通過であろう。中国の江蘇省から恐ろしい崩落事故の話題が伝えられた。


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■崩落で車両3台が下敷き

中国・江蘇省無錫市で現地の10日午後6時10分、上海と新疆(しんきょう)ウイグル自治区を結ぶ国道312号線の一か所で、高架橋が崩落する事故が発生した。

これにより高架橋の下にいた車3台が巻き添えとなり3名が死亡。また高架橋を走行していた車5台に乗っていた人々が負傷し、病院に搬送されたが1名が重体だという。

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■停車中のバスも潰される

最新情報によれば、潰された3台のうち1台は停車中のバスで、幸い客は1名も乗っておらず運転手も負傷で済んだもよう。もう1台に乗っていた幼稚園教諭の女性と娘が死亡したことが伝えられている。

その高架橋は2005年に完成。当時の現場で地震や地滑りなどは確認されておらず、崩落はある時いきなり起きたという。 

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■連日のように過積載トラック

その後、道路の管理当局はこの崩落事故の原因に関し、あるトラックが大変な重量のスチールコイルをいくつも積んで走行したところで事故が起きたことを報告。警察はそのトラックの運転手および運送会社の責任者の身柄を拘束し、厳しい事情聴取を行っている。

無錫市は工業団地が多く、どうみても積載オーバーと思われるトラックが連日のように国道312号を走行していた。特にステンレス鋼関連の工場が多いため、それは暗黙の了解だった可能性も高いようだ。


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■2016年より前の橋脚は不安

一方、高速道路に詳しい専門家らはこの崩落事故について、支える橋脚が一脚だけであったことの危険性について指摘。建設コストの削減や工期の短縮化がこうした事故をもたらしていると批判した。

中国がすべての高架橋を二脚の橋脚で支えるよう、建設方法を変えたのは2016年以降のこと。このたびの崩落事故を機に、それ以前の細い橋脚の上を走る高架橋の安全性について改めて調査の必要があるとしている。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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