「公衆便所で射精」「生き生きしてた」 地下芸人を描いた映画に衝撃

『女王の教室』の大塚恭司監督が横須賀歌麻呂を主演にした映画『東京アディオス』が公開される。

■面白いことが起こりつつある

大塚恭司

テレビにどれだけ露出しているか。これまで、芸人として成功しているかどうかは、そこで判断される部分が大きかった。しかし、少しずつではあるが、時代は確実に変わってきているように思われる。

いわゆるメインストリームを突っ走る霜降り明星、ハナコらを筆頭とする「お笑い第7世代」として、金属バットやランジャタイ、街裏ピンクといった芸人が取り上げられていることが、そのことを物語っている。

大塚監督:そのタイミングでこの映画が作れたってことですよね。横須賀が今まで長いことずっとやってきて、テレビを通り越して映画になったっていうのは、まさにそういう形だろうなっていう風に思うから。


ロックの時代だったら、ロックをやってる連中が今はお笑いをやってて、その中でもすごいコアなことをやってる地下芸人の連中がすごくロックっぽいですよね。だから、カリスマ性もあるし、そういうことに受け手が一気に気づくんじゃないですかね。


横須賀とか居島一平とかが先駆者として出て、そのやり方を手本にして新しいことをするっていうのが、金属バットとかAマッソとか、あの辺の連中なのかなって感じはします。僕らの年齢で観ても面白いと思うし、面白いことが起こりつつあるんじゃないかと思います。


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■お笑いビジネスモデルの変化

横須賀歌麻呂

横須賀:俺もこのタイミングで世に出るってことで、第7世代になるんですかね(笑)。金属バットとかがライブで評価されて、その相乗効果で客も増えてて、お笑い界のライブシーンが盛り上がってるなっていうのは感じます。


テレビのほうがネタ番組も減ったりだとか、やれることが少なくなってるんだけど、芸人になりたいってやつは増えてるわけで、ライブでは勢いのあるやつがどんどん出てきてます。


これまでに成功してる芸人のビジネスモデルは、ネタ番組かなんかから出てきて、ちょっとレギュラーを持てるようになって、冠番組を持てるようになったら成功みたいな。


わりとみんな、俺ら世代の芸人はそれを目指してきたと思うんですね。今は時代が変わってきて、そこを目指してない。


東京03みたいな単独ライブっていうショーケースを持って全国回って、それをDVD化してっていう、ミュージシャンみたいなビジネスモデルをやってる芸人も出てきています。お笑い芸人の在り方が多様化しつつあるときだと思うので、すごく面白いです。


ネタに関しても、今まで散々ネタのパターンなんかもやりつくされてんのかなと思ってたら、若手は斬新な切り口で来るんで、ネタを観てると、「これは見たことないないな」ってすごく勉強になるんですよ。


だから、お笑い界はすごくいい感じだっていうイメージがあります。今回の映画を観て、地下芸人を初めて知ったっていう方も多く出てくると思うので、その人たちにはやっぱりライブを観てほしいです。生で観るのが一番面白いと思うんで。


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■「まだまだ大丈夫だから」と伝えたい

地下芸人である横須賀の生き様を描いた本作は、自分が信じたことをやり抜く美しさ、冷たく立ちはだかる現実のやるせなさなど、お笑いに特別興味のないという人の心にも訴えかけるものがある内容だ。

最後に、横須賀と大塚監督それぞれに、どんな人に特に観てもらいたいかを聞いた。

横須賀:お笑いに興味ない、ライブハウスに足を運んだことがないっていう人に見てもらって、どう思うかを聞いてみたいですね。お笑い好きは言っても好きだと思うんですよ。


お笑いには興味ないけど、映画は好きだみたいな人にも観てもらいたいし、もっと言ったら、お笑いも映画も興味ないって人に見てもらって、そういう人の率直な意見を聞いてみたいです。


大塚監督:僕がこの映画を作ろうと最初に思ったとき、お笑いの状況がこういう風になるって思ってなかったんで、お笑いのファンとかお笑い芸人に向けて作るつもりではなかったんですね。


当初は30代とか40代とかで、若いときに持っていた夢を諦めるだとか、挫折しちゃったとか、ここから先が人生面白くなくなるんじゃないかって思ってる人たちに対して、まだまだ大丈夫だからってことを伝えたかったんです。


横須賀が今になって映画の主演を初めて務めることもあるわけだから、ここから先頑張れば、まるで大丈夫だと思うんです。そういう人に見てもらって、「もう一発かますぞ」って思ってもらいたいですね。

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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部

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