助手席女性がいきなりの流血 静かな車内でいったい何が起きた?
目の前を列車が横切り驚いた犬が足を一歩前に踏み出した。その瞬間、助手席の女性は…
助手席の女性が突然大きな悲鳴をあげ、太ももの一か所からはジワジワと血が流れ始めた。しかし、その事故はほかの車やバイクが絡んで起きたものではなかった。
■踏切前で列車の通過を待つ車
その「事故」は、米国オクラホマ州ガーフィールド郡のイーニッドという町で今月3日午後2時半ごろ、ある踏切前で列車が通過するのを待っていた車の中で発生した。
あり得ない恐怖を体験したのは、79歳の男性が運転する車の助手席に座っていた44歳の介護ヘルパーの女性。車が静かに停止していたなか突然左太ももに激痛を感じ、そこからみるみる流血したため男性が911番通報し、複数の緊急車両が現場に急行した。
■それは1発の銃弾だった
男性が外したベルトで太ももの付け根をきつく縛りながら救急車を待ち、イーニッドのセントメアリー地域医療センターという大きな病院に搬送された女性。彼女の太ももから摘出されたのは銃弾だった。
しかもそれは、男性が車のコンソールボックスに置いていた22口径の拳銃から放たれたものだった。銃はサイレンサー付きで、踏切の騒音もあって2人とも発砲音にはまったく気づかなかったという。
■いくつもの偶然が重なる
いったい誰がその引き金を引いたのか。2人は警察に異口同音にこう証言した。
「ほかに同乗していたのは後部座席のゴールデンレトリバー一頭です」
「犬が体を伸ばして勢いよくコンソールボックスに飛び乗り、その瞬間に激痛と流血が起きました」
前方の踏切内を列車が横切り、犬はそれを見るため大きな体を前に。さらに座席カバーを括り付ける部分が引き金に触れてしまっていた。現場の状況をじっくりと調べた警察も、このアクシデントを運悪くいくつかの偶然が重なった「偶発的な事故」と結論づけたという。
■ポケットから落ち暴発した例も
驚くような銃の暴発事故は今年5月にネブラスカ州でも起きていた。32歳の男のポケットから硬い地面に落ちた22口径の拳銃が瞬間に暴発し、彼の局部を撃ち抜いたのだ。薬きょう底部から落ちたため、発射薬の着火をもたらすプライマーという部分が発火したことが原因だった。
銃の暴発による死傷事故が毎年1,500件前後起きているアメリカ。親の護身用の銃を子供がこっそりと触ってしまう、あるいは子供が銃の指導を受けるなか暴発させてしまうなど、痛ましい事故ばかり報じられている。
平和で治安のよい日本。このまま恐ろしい銃と無縁でいられるよう祈るばかりだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)