タベアルキスト・マッキー牧元の弁当勝負 『崎陽軒』の秋
タベアルキスト・マッキー牧元氏がライフワークとしている「弁当勝負」。第4回の勝負は…
『味の手帖』取締役編集顧問で、タベアルキストのマッキー牧元氏。その食へのこだわりは、出張や旅行の楽しみ「駅弁」にも及ぶ。マッキー氏が行う「弁当勝負」とは何か。本当にうまい駅弁はどれなのか。連載第4回のテーマは、崎陽軒の季節限定弁当だ。
■弁当勝負は「サンドイッチ」
久々の弁当勝負である。新幹線で隣に座られたのは、推定50歳の男性であった。まず上島珈琲カフェオレを取り出して、ドリンクホルダーに入れる。
次に取り出したのは、「メルヘン」の紙袋であった。サンドイッチを取り出すと、気持ちがはやっているのか、なかなかビニールが破れない。
落ちついて。半分ほど破れた状態で、無理矢理取り出し、食べ始めた。ハム、レタス、トマトサンドである。「シャキッ」レタスの弾ける音が聞こえる。
普通サンドイッチを食べる時、一口食べると、噛みながらサンドイッチを口元から離す。そして飲み物を飲んだりして、二口目と行く。しかし彼はサンドイッチを口元から1センチ以上離さず、一気に三口で食べ終えてしまった。
時間にして15秒である。ハムレタスサンド15秒である
■「電光石火」に圧倒
ここで一旦カフェオレに手を出すかと思いきや、次のサンドイッチをつかみ、また口元から離さず、今度は四口で食べ終えた。時間にして、20秒。ふた切れ目は少し時間をかけたね。
ここでカフェオレに手を出すかと思いきや、まったく無視して、もうひとつ紙袋から取り出した。今度はホットドッグである。これまた口元から離さず、45秒で食べ終えた。
よほどお腹が空いていたのだろう。いやじつは、早食い大会の選手で、トレーニングを欠かさないのか? 電光石火の男なのである。
そしてホットドッグを食べ終えると、ようやくカフェオレを手に取り、一気に飲み干した。350ccを一気、6秒である。すべてにおいて、電光石火の男なのである。