「騒音に精神を病み自殺も考えた」 女性が隣人に訴えられた理由とは
愛犬と一緒の生活を楽しむためにも、最初にしっかりと正しいシツケを…。
絶え間なく漏れてくる大きな音。夜間もそれは変わることがなかった。近隣住民は一人またひとりと、それに耐えられなくなっていったという。
■Xデーがついに
英国レスターシャー州のチャーンウッド自治区で今年7月、保健局の職員らがヴァネッサ・ストーン(51)という女の家に向かい、飼われていた牧羊犬・コリーの「レジー」を犬・猫用の抑留所に連れていった。
飼い主から無理やり引き離され、車の檻に入れられたコリー。気の毒な光景であるにもかかわらず、それを見守っていた住民からは異口同音に「胸をなで下ろした」という声が漏れた。その日は彼らが長いこと待ちわびていたXデーだったという。
■夕方から翌朝まで延々と
昨年4月、地元警察に出向いた近隣住民はこのような苦情を訴えていた。
「レジーのけたたましい吠え声は午後6時から始まり、早朝まで続きます」
「睡眠時間は毎日2~3時間。体調を崩し、精神安定剤の量が増え、自殺まで考えるようになりました」
「飼い主に苦情を言っても知らん顔。反社会的人格障害すら感じます」
しかしストーンは警察の介入を断固拒否。その後、保健当局がコリーに関する適切な飼育方法の指導を試みたが、やはり改善の努力が見られなかった。レジーは肥満の問題も抱えていたという。
■自治区議会でも議論
チャーンウッド自治区議会でも昨年8月にその問題が取り上げられ、「しつけに無関心で怠慢なストーンからは、犬を飼う権利そのものをはく奪するべき」との決議に至った。
ストーンはこれに不満を訴えたが、レスター治安判事裁判所への出頭を命じられると自分の非を認めざるを得なくなり、これによりレジーの保護が決定した。
保健当局で過ごすようになって2ヶ月が経過。適切なしつけと栄養管理が行われている現在のレジーは適正体重を保ち、落ち着いて過ごしている。
■愛されてこその飼い犬
気性が荒く、うるさく吠える犬を住宅街で飼うことは、近隣住民に大変な迷惑を及ぼすばかりか散歩でも多大な恐怖を与えてしまう。警察、保健所、飼育指導員、裁判所をも巻き込んで大ごとになる、このたびのような例もじつは少なくないようだ。
十分な散歩と正しいしつけこそが、愛犬との楽しい生活の第一歩。このことをしっかりと心しておきたいものだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)