銀行が個人の口座に1300万円を誤入金 使い果たした夫婦が訴えられる
庶民であれば、大金がいきなり増えればオカシイとすぐに気づくだろうに…。
銀行の事務とは非常に厳格なシステムに基づき、すべてがマニュアルで管理され、伝票の扱いも検印に検印を重ねるものだ。まさかこんなミスが起きてしまうと誰が想像するものか…。
■あってはならない入金ミス
米国ペンシルベニア州ライカミング郡のモントーズビルという町で数ヶ月前、大手地方銀行BB&T(Branch Banking and Trust Company)の銀行員が、あってはならないミスを犯してしまった。
ある個人の口座に12万ドル(日本円にして1,300万円弱)のお金を誤って入金したもので、その事実に気づくまでに日数を要したことも事態を悪化させてしまった原因だ。
■今さら返せと言われても…
棚から牡丹餅ともいうべき大金が入金されたのは、顧客である初老の夫妻が管理している口座だった。
彼らはそのお金を、複数の4WD車、スポーツカー、キャンピングカーの購入やアイテム装着などに費やし、クレジットカードの決済に充て、お金に困っている友人に160万円ほどを与え、そのほとんどを使い果たしていた。
地元メディアの『ウィリアムスポート・サン=ガゼット』が伝えたところによれば、BB&T では6月20日に誤入金の事実が判明。夫妻に全額の返還を迫ったが、「今さらそんなことを言われても返すなんて不可能」という返事だった。
しかしその行為は重い窃盗罪にあたるとして、夫妻はこのほど正式に訴えられた。
■驚く近隣住民
資産家ならともかく、それまでは庶民的な暮らしをしていた夫妻。短期間にそれだけの車が夫妻の自宅の車庫に納車され、近隣住民はメディアの取材に「何事が起きたのかと驚いた」「宝くじでも当てたのかと思った」などと話している。
「自分たちのお金だと思って当然のように買い物しただけ」と夫妻は法廷で主張するだろう。だが、それで返還を免れたというケースはまずない。おかしいと思った時はやはり銀行に問い合わせたほうが無難だ。
■トラブルは勘弁願いたい
頼みもしないのに銀行が誤入金というミスを犯し、お金があると思って使った顧客が罪人扱いされるなど、たまったものではないと怒っている夫妻。これは、落ちているお金を拾ってトラブルに巻き込まれる例と似ているかもしれない。
しらべぇ編集部では、全国10〜60代の男女1,653名を対象にそのあたりの意識調査を実施していた。「お金が落ちていたら拾う」と答えた人は、全体で69.6%と高い割合になっている。ただし「拾ったのではなく盗ったのでは」と疑われるなど、届け出て不快な経験をしたという人もいることは問題だ。面倒だから無視して通り過ぎるという人が3割いることは、やや残念だ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国10代~60代の男女1,653名(有効回答数)