左派だけでなく右派の支持も 「れいわ新選組」躍進の理由と今後の展望
今年の参院選比例区で特定枠を活用し、2議席を獲得したれいわ新選組。その躍進の背景とは。
■グローバリズムが生むゆがみ
安倍政権の進める政策は、右派の期待を裏切っていると金子氏は分析する。
金子:さらに、グローバリズムや新自由主義は、大企業経営者のような人間にとっては良いでしょうが、地道に働く一般庶民からすれば可処分所得の低下を招くなど良いことはありません。このような国民の分断も、右派からすれば好ましくありません。
こうしたグローバリズムや新自由主義の行き過ぎに歯止めをかけてほしいと、右派を自任する人々の多くは「美しい国」を唱えて再登板した安倍首相に期待しましたが、その期待は裏切られました。
そうした思いを持つ人の中から、新自由主義がもたらした経済格差の克服を掲げるれいわに期待する人が出てきてもおかしくないでしょう。
■思想的な幅がポイントか
———今後、れいわ新選組はどのような方向に行くと思うか?
金子:左派的な色彩が濃厚でありつつも、右派的な傾向の人々の支持も得ているれいわには、野党結集の基軸となる可能性がありますが、そのためには思想的な幅を広げることが必要でしょう。
その意味で、GHQの占領政策を批判したふなご議員の発言を封殺するような動きは極めて残念でした。それに関連して、気になるのは山本太郎代表の天皇観です。
山本代表は、2013年年秋の園遊会において、原発事故に関する直訴状を当時の天皇陛下に手渡すという挙に出ました。この行為自体は極めて非礼ですが、「天皇陛下に御願いすれば何とかしてくださるかもしれない」という発想じたいは否定すべきでないと思います。
今後、れいわ新選組がいかなる動きをするか、私には分かりません。ただ、左派的な色彩を強めれば強めるほど共産党や社民党との区別がつかなくなり、右派の支持を失うことでしょう。
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(取材・文/France10・及川健二)