「早く眠れ」と1歳娘に麻薬性鎮痛薬 歯茎に塗り付け死なせた鬼母を起訴
日本でも少しずつ話題になってきている鎮痛薬依存の問題。小さな子が巻きこまれる事件まで起きてしまうとは…。
日本でも違法薬物の流通や乱用、あるいは処方せん医薬品の不正な使用方法が大きな問題として取り上げられるようになってきた。海外では、それゆえにこんな恐ろしい事件すら起きてしまうという事実を一つ紹介してみたい。
■オピオイド系鎮痛剤への依存
日本ではケシ由来の医療用麻薬であるモルヒネ、フェンタニル、レミフェンタニルが使用されているが、米国では、こうしたオピオイド系鎮痛剤への依存、過剰摂取が大きな社会問題になっている。
「ハイになるため」「ぐっすりと眠りたい」としてオピオイドを乱用するうちに依存を深め、米国における急性薬物中毒死はこれによるものが群を抜いて多い。ロック歌手プリンスもフェンタニルの過剰摂取が突然の死の原因だった。
■1歳児が急性薬物中毒死
2018年10月10日、米国メイン州で1歳の女の子が急性フェンタニル中毒により死亡。この事件からほぼ1年後という今月18日、キンバリー・ネリガンという33歳の母親が薬物の不法所持、乳児虐待致死ほかの容疑で起訴された。
ネリガンは約2ヶ月にわたり、ヘロインとフェンタニルを合成したものを娘の歯茎に少量ずつ塗り付けていたとみられている。
取り調べに対しては「早く寝てほしかった。上の子供たちもそれをするとよく眠れていた。娘を死なせるつもりは決してなかった」などと供述。裁判で有罪判決が下った場合、ネリガンには1年6カ月の禁錮刑が言い渡される可能性があるという。
■「眠れ」と苛立つ母親たち
泣き止まない赤ちゃんに苛立ち、許されぬ行為を働く母親たち。2015年にはアーカンソー州で、生後10か月の赤ちゃんが意識もなく病院に運び込まれたが、非常に酒臭かった。
母親は「泣いて手が付けられないため、哺乳瓶のミルクにウィスキーを混ぜて飲ませた」と話したという。
またインドネシアでは今年5月、「早く眠って」と言いながら赤ちゃんに缶ビールを飲ませる母親の動画が流出し、恐ろしいと話題になっていた。オピオイドのような薬物ばかりではない。お酒の力を利用しようという親がいることも大きな問題だ。
■違法薬物への関心度
違法薬物に対する日本人の関心度も気になってくる。しらべぇ編集部では全国20~60代の男女1,348名を対象に意識調査を実施。20代女性の1割近くが、同男性の1割超が「違法薬物を一瞬でも試したいと思ったことがある」と回答していた。
日本でも子育て世代を中心に違法薬物が蔓延したらどうなるのか、想像しただけでも恐ろしいものがある。
アメリカで相次いで報じられる薬物中毒死のニュースを、「対岸の火事」と捉えているうちは日本もまだ平和で安全だ。薬物に対しては、どうか関心や興味だけに留めておいてほしい。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国20代~60代の男女1,348名