過呼吸や遺書を書く乗客も 緊急着陸を決めた旅客機が8800mも急降下
十分な高度で水平飛行に入っているのに突然機長からアナウンスが…。これほど怖いものはない。
定時の出発と予定通りの到着、そして何より安全な飛行であってほしい空の旅。こんなアクシデントに巻き込まれるのは、たまったものではない。
■与圧システムに不具合が発生
このほど米国ジョージア州のアトランタを発ち、1時間50分ほどをかけてフロリダ州のフォートローダーデールに到着するはずだったデルタ航空2353便において、飛行中に与圧システムの不具合が発生。急降下のせいで機内がパニックに陥ったことが伝えられた。
異変の検知により、機長はフロリダ州のタンパ国際空港に対して緊急着陸を要請。その許可を得ると、わずか7分の間に約29,000フィート(約8,800メートル)もの降下となったという。
■経験したことのない急降下
タンパ国際空港への緊急着陸は成功したが、乗客を不安に陥れないようゆっくりと降下して減速する、という理想とは大きく異なる操縦をみせた同機の機長。
想像を絶する急激な降下が1分半近く続き、乗客は青ざめ震え上がり、隣の席の家族や恋人を強く抱きしめるなどして耐え続けた。その後、デルタ航空側はこの件について正式に謝罪し、同機の乗客に対しては全額返金となることを告げている。
■あちこちで乗客が過呼吸に
同機の乗客であった男性は、メディアの取材にこのように話している。
「酸素マスクが下りてきて、あちこちの乗客が恐怖から過呼吸に陥ってしまいました」
「人生ほんと何が起きるかわからない。とてつもなく恐ろしい60〜90秒ほどでした」
「僕は恋人と家族にスマホでメッセージを送りました。今、飛行機で恐ろしいことが起きている、愛している、とね」
『パニックに陥らないで』と客室乗務員が何度もアナウンスしたが、陥るなと言われたところでイヤでも陥る、そんな状況だったという。
■飛行機に対する信頼度は…
しらべぇ編集部では、全国の20代~60代の男女1,664名を対象に「飛行機の安全性」について意識調査を実施していた。出張などで使う機会が多いのか、50代男性では「安全だ」と思う人が過半数だが、他のすべての世代では不安視する人が目立つ結果に。
経験を積む、つまり乗り慣れるほどに飛行機に対する怖さは薄れていくものだが、このたびのような例もある。ビデオを含め、機内安全に関する指導はしっかりと見ておきたいものだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)
対象:全国20代~60代の男女1,664名 (有効回答数)