「魔法の嗅覚」を持つ警察犬 捜索難航の3歳児をわずか29分で発見
母親が普段から恐れていたことが起きてしまった。最愛の息子の「迷子」だ。
ちょっとした興味や衝動から、小さな隙間に入っていくことがある幼い子供。大人が目を離したすきに迷子になっていた3歳の男の子を、見事に探し出した警察犬の話題が伝えられた。
■なんとしても日没までには
米国フロリダ州ペンサコーラ市の郊外となるペースという町で15日、3歳の男の子が行方不明になり、警察犬2頭が大変な活躍を見せたとして話題になっている。
ペースはアスカンビア湾に面し、貯水池も多いため水難事故の危険性もある。なんとしても日没までにその姿を探さなければと、家族の心配は大変なものだった。
■鋭い嗅覚を誇る警察犬が出動
家族からサンタローザ郡保安官事務所に捜索願が出されると、嗅覚が飛び抜けて優れている警察犬2頭を伴って捜索隊が出動した。犬種は「魔法の嗅覚」の異名をとるブラッドハウンドだ。
彼らは1年ほど前からその保安官事務所で捜索のスペシャリストとして活躍していたが、このたびも男の子の臭いの特徴を把握すると、出動後わずか29分で男の子を発見した。イバラで囲まれた森林地帯を独りとぼとぼと歩いていたという。
■「常に迷子を心配」と母親
サンタローザ郡保安官事務所が開いた記者会見で、母親はこう語っている。
「自閉症を持つ息子が迷子になることを、私は常に恐れています」
「あっという間に息子を探し出していただき、皆様には心から感謝しています」
擦過傷や虫刺されがあったのみで男の子の健康状態に問題はない。この男の子には保安官より、「SHERIFF」マーク入りTシャツを着た大きなぬいぐるみがプレゼントされたという。
■自閉症児が迷子になったら
この男の子は、ちょっとした冒険心から衝動的に自宅を出て行ってしまったと考えられている。行方不明になってから約2時間、近隣住民も付近一帯を探し回るなど捜索に協力したが、そう遠くない場所にいながら男の子の発見は難航した。
自閉症を持つ子供が迷子になった場合の最大の懸念は、迷子になったという認識が本人には薄く周囲に助けを求めにくいこと、大声で名前などを呼ばれても関心や反応を示しにくいことだという。
このたびの一件は、迷わず早めに警察に相談することの大切さを教えてくれたといえるのではないだろうか。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)