乳児の顔や体が毛むくじゃらに 医療用粉ミルクに驚きの薬剤が混入

赤ちゃんがなぜか毛深くなったとして医療機関に駆け込んだ親たち。原因はなんと粉ミルクにあった。

2019/08/29 09:40

粉ミルク
(paylessimages/iStock/Getty Images Plus/写真はイメージです)

乳児が口にする粉ミルクは、あくまでも純良で高品質であるべき。ところがこのほど、医療目的の特殊ミルクにあり得ない薬剤が混入していることが判明した。


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■乳児の顔や体が毛むくじゃらに

スペインの子育て世代の間で今、赤ちゃんの粉ミルクに起きた許しがたい薬剤混入事件の話題が波紋を広げている。

医療目的で処方された特殊ミルクを飲んだ赤ちゃんが、次々と「狼男症候群」を発症したもので、いずれも太くてごわごわとした毛が異常に生え、顔から体にかけて毛むくじゃらになってしまったという。

把握できている被害者は現時点では16名だが、軽微な症例を含めれば他にも被害者がいる可能性はありそうだ。

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■目的の異なる薬剤が混入

その粉ミルクには、胃酸の逆流や消化不良の治療を目的とした胃酸抑制薬のオメプラゾールが含まれていたが、成分の分析を進めた結果、そこに誤って脱毛治療薬が混入していたことが判明した。

当局に最初の被害報告が寄せられたのは7月。13件の事例が確認され、8月に3件が報告された。問題の商品はすべての薬局から撤去されたが、最大で30の薬局と50以上のバッチが影響を受けたとみられている。

問題のオメプラゾールを販売していたのはスペイン・マラガの製薬会社『ファルマ=キミカ・スゥル(FarmaーQuimica Sur)』社で、営業停止処分を言い渡され、現在も厳しい調査が行われている模様だ。

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■ミルクを中止すると症状が改善

スペインの『El Pais』紙が報じたところによれば、赤ちゃんたちはそのミルクをやめることで幸いにも症状が改善されているとのこと。突然の全身多毛の原因が究明されたことで、どの家庭もほっとしているという。

政府機関であるスペイン医薬品医療機器局(Spanish Agency for Medicines and Health)は、この粉ミルクを処方された可能性があるすべての家庭に向け、引き続き赤ちゃんの体調について観察を続けるとともに、必要に応じて医療機関を受診するよう呼び掛けている。


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■原薬はインドから輸入

『ファルマ=キミカ・スゥル』社は、その原薬をインドのサプライヤーから輸入していた。市販薬や処方薬のマーケットとして、今のインドは米国に次ぐ世界第二位のシェアを誇っている。

国産だと思っている薬品も、原薬は海外からの輸入ということが増えている現代。販売業者は徹底した品質の監視と管理体制を心掛けてほしいものだ。

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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ

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