事件現場に向かうはずの警察官を遺体で発見 被疑者の1名は13歳少年
事件現場に向かう最中という、まさに公務中の警察を死なせたのはいったい誰なのか。
事件現場に向かっていたはずの公務中の警察官が姿を現さず、道路に横たわるむごたらしい遺体となって発見された。いったい何が起きていたのだろうか。
■新婚の警察官が殉職
英国バークシャー州スラムステッドの郊外の道路で、このほど強盗事件に対応しようと現場に向かったテムズバレー署の警察官が、無念にも殉職する悲劇が起きた。
亡くなった警察官は男性で28歳。仕事熱心なことで評判だった。テムズバレー署が記者会見を開き、「すべての職員がショックを受け、激しい怒りとひどい喪失感に苦しんでいる」と述べたほか、4週間前に結婚したばかりだったこともあり、遺族は深い悲しみに打ちひしがれている。
■被疑者の1名は男子中学生
15日深夜、主要高速道路A4に横たわる遺体として発見された警察官。状況からは車に轢かれ、そのまま引きずられた疑いが濃厚だが、同署は記者会見で、強盗事件も含め、被疑者として現在13歳から30歳までの男ばかり10名の身柄を拘束していることを発表した。
なぜ13歳の少年が事情聴取を受けているのか。強盗事件ではなく警察官の殉職に関してであれば、轢死の直前に警察官が何か別の事件に巻き込まれていたということか。今ではこの一連の事件を「13歳の少年の身柄を拘束」というタイトルで伝えるメディアばかりだ。
■仮に13歳少年が犯人だとしたら…
もしもその13歳の少年が強盗犯として起訴された場合でも、その事件は警察官の殉職という二次的な悲劇をもたらしただけに、どれほどの罰が下されるのかと注目するイギリス国民。
なぜなら凶悪な罪を犯す未成年者に対し、イギリスの法廷はローティーンであろうと容赦なく厳しい罰を下してきたからだ。
たとえば1981年にはバーミンガムで、遊び仲間だった当時8歳の少年を殺害し、遺体をゴミ置き場に投棄した12歳の少年が投獄された。
元少年の受刑者は48歳になった2018年秋、「いい加減釈放してくれ」と法務省に訴え、日本円にして1億数千万円の損害賠償まで請求。そのふてぶてしさが話題になった。
■少年期に見せる極端な残虐性
さらに1993年には、マージーサイド州で当時10歳の少年2人がショッピングセンターから2歳の男児を誘拐し、殺害して投獄された。18歳となった2001年、新しい身分とともに2人とも釈放されたが、主犯格の1名は再び罪を犯して刑務所に逆戻りしている。
その際に話題になったのは、押収されたPCに多数の児童虐待画像が保存されていたこと。「小児期に極端な残虐性を見せる者は生来のサイコパス、ケダモノだ」「懲役にどれほどの年月をかけても矯正は不可能。決して社会に戻すべきではない」といった意見が噴出した。
こういうニュースは思春期の子を持つ大人たちの心を重くさせる。イギリスの人々は今、13歳少年がこのたびの事件に関与していないことをひたすら祈っているという。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)