病院から搬送されてきた棺の中身は… 乳児の遺体が行方不明
生まれて間もなく他界したかわいい赤ちゃん。両親の深い悲しみを病院側は理解しているのだろうか。
人の「生き死に」があまりにも頻繁に起きている病院。それに慣れすぎ、つい「扱いが雑になってしまう」というスタッフもなかにはいるのだろうか。まさかの遺体紛失という話題が伝えられ、波紋を広げている。
■赤ちゃんを残し両親は先に帰宅
「なんと無責任な。人の命をなんだと思っているのか」という、あり得ない事件の話題がメキシコのチアパス州から伝えられた。
誕生してまだ数日という赤ちゃんが生命を脅かす合併症を発症し、オコシンゴという町のパレンケ総合病院(Palenque General Hospital)に緊急入院。治療の甲斐なく残念ながら死亡した。
様々な処置が必要なこともあり、赤ちゃんの遺体はのちほど棺に納められて自宅に搬送されると告げられた両親。悲しみに打ちひしがれながら、2人は先に自宅へと戻った。これがまさか我が子の姿を見る最後になるとは知らず…。
■赤ちゃんの遺体はどこへ
しばらくしてパレンケ病院から大変小さな棺が自宅に届けられ、両親はすぐにフタを開けて中を確認。するとそこに赤ちゃんの姿はなく、なぜか悪臭を放つビニール袋がいくつか入っていた。それらがゴミ袋であることは一目瞭然であったという。
驚いた両親は病院に急ぎ、「早く我が子を返して」とスタッフに詰め寄った。しばらく待つと目の前に男の赤ちゃんの遺体が運ばれてきたが、その子は彼らの子供ではなかった。母親は「腹を痛めて産んだ我が子の顔くらいわかります。病院側の対応はすべてが適当でした」と怒りをあらわにしている。
■地元の保健当局も調査を開始
いまだに赤ちゃんの遺体は両親の元に戻されていない。ただでさえ憔悴しきっている両親に代わり、現在は親戚の者たちが各方面に対して動いてくれている。
「赤ちゃんはどこにいるのか、しっかりと説明を」とパレンケ病院の責任を追及するとともに、事件性を感じられるとして地元の保健当局にも調査を依頼した者、そしてここまでの経緯をメディアに暴露し、なかなか出ない結論に病院への怒りをぶちまけた者もいた。
しかし地元メディアはその後、「取材の申し込みにも病院側はなんら応じていない」と報道。彼らの無責任さを痛烈に批判するとともに、「1日も早く赤ちゃんを両親に返してあげて」と訴えている。
■遺体の扱いや管理が粗末
病院や葬儀業者に関して、「病人」「死」や「遺体」に対する粗末でずさんな扱いが時おり報じられることがある。家族や遺族が「悔しい」と涙を流した海外の事例をいくつか紹介してみたい。
・葬儀当日、女性Aさんの遺体が見つからなくなる。創業83年の老舗葬儀業者が女性Bさんの遺体と取り違えたことにより、Aさんは前日にBさんの墓に土葬されていた。(2015年11月 米国シカゴで)
・ある葬儀場で、埋葬されていない胎児や乳児の遺体63体が見つかる。冷凍庫から27体が、残りの36体は箱の中から発見された。
死後72時間以内に「死亡証明書」を当局に提出することが義務付けられているが、葬儀業者がそれを怠っていたことが原因とみられている。(2018年10月 米国デトロイトで)
・20歳の青年が事故で瀕死の重傷を負い、心拍数や血圧などをしっかりと確認しなかった医師が死亡を宣告。しかし火葬直前に手足を動かし、葬儀に参列した人々を仰天させる。(2019年6月 インドのウッタルプラデーシュ州で)
いずれのケースも、担当した者のずさんな仕事ぶりが強く批判されていた。日本ではどうだろうか。人の命の尊厳を大切にと考えてくれていれば、このようなミスやずさんな扱いは起きない、そう信じたいものだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)