「ジャガーのほうがいいって言っただろう!」 父が贈ったBMWを投棄
裕福な家庭にも悩みがあるのだろう。高級品ばかり欲しがる我が子もそんな一つかもしれない。
贅沢を知ってしまった子供ほど扱いにくいものはない。身の丈以上の高級品を買い与えられる優越感を覚えてしまうと、その後も決して妥協しなくなり、そのうち地に足がつかなくなることが多いからだ。
■贅沢の味を覚えてしまった息子
新品の高級車が不法に投棄されるという、一風変わった話題がインド・ハリヤーナー州のヤムナーナガル県から飛び出し、ソーシャルメディアで「最低のボンボンだ」と物議を醸している。
地元の大地主として鳴らしているある家庭の、わがまま放題、贅沢に育てられた息子。彼はこのたび22歳の誕生日を迎え、父親は溺愛する息子に日本円にして530万円ほどという白のBMW「3シリーズ」をプレゼントした。自分の愛車を売却して購入した高級車であった。
■息子はそのBMWを運河に
ところが、息子が欲しかったのはBMWではなかった。「ジャガーのほうがいいって言っただろう!」と不満を爆発させると、息子はその車にエンジンをかけ、近くを流れる運河まで出かけると水中にそのBMWを沈めてしまった。
川に車が入る様子を目撃していた者がおり、通報を受けて現場には緊急車両が続々と到着。人が乗っている可能性もあるとして、事件・事故の両面から警察が捜査にあたるなど、現場には非常にものものしい空気が漂ったという。
■「親も親だ」という批判も
世の中には、裕福な親が所有する超高級スポーツカーをかっ飛ばす、あるいは誕生日などにそれを買ってもらうというボンボンやお嬢様をしばしば見かける。そして芳しくない話題も多い。
・アメリカの有名リアリティ番組でおなじみのキム・カーダシアンの異父妹、カイリー・ジェンナーが16歳になり、運転免許取得と同時に両親からメルセデス・ベンツの SUV(日本円にして約1,230万円)を贈られた。
ほどなくして車2台を巻き込む追突事故を起こす。(2013年8月 カリフォルニア州で)
・ハルク・ホーガンの息子ニック・ボレアが、飲酒のうえ父ハルクの所有するトヨタ・スープラに友人を乗せ、路面が雨で濡れているにもかかわらず別の車とレース。事故を起こして車は大破し、本人は重傷も同乗の友人は脳障害につき植物状態に。
「息子はまだ17歳。成人の犯罪者のように扱わないでほしい」というハルクの擁護コメントに批判が殺到した。(2007年8月 フロリダ州で)
■いきなりの加速は事故の元
億万長者のみが手を出す、いわゆる「スーパーカー」。この類の車は扱いが難しく、経験不足の若者がいきなりハンドルを握ったところで、すんなりと乗りこなせるものではない。
・ランボルギーニを父の友人から借りた18歳の男。カーブを曲がり切れず車はガードレールに激突して大破、本人は即死した。米陸軍のエリート集団である「Army Rangers」への入隊が決まっていただけに、その死は非常に惜しまれた。(2014年8月 米国ニューヨーク州で)
・日本円にして数億円もすることで知られるスーパーカー「ケーニッグゼグ(Koenigsegg)」。これを26歳の男が飲酒運転により大破させ、レンタカー業者を激怒させる。(2015年12月 中国重慶市で)
・結婚式を盛り上げようとレンタルした、オープンカーの白いフェラーリ458スパイダー。披露宴会場に向かう途中の住宅街で事故を起こし、日本円にして約3,750万円という車を大破させる。(2016年4月19日 英国ランカシャー州で)
いずれの事例も、未経験のものがいきなりスーパーカーのハンドルを握り、飛ばすことの危険性を如実に物語っている。こうした事故の報道には「身の程知らずが、そんな車を簡単に乗りこなせるとでも思ってるのか」という批判コメントがつくばかりで、同情ひとつ買わないことも特徴だ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)