ヘアカラーで激しいアレルギー エイリアンのように腫れる
自宅でヘアカラーをする場合も、事前に十分な時間をかけ、しっかりとアレルギー検査を!
ヘアカラーによるトラブルは今、世界的に増加傾向にある。そのため染めたいと思っても「すぐに」は絶対に避けなければならない。そしてアレルギー検査も慎重に行われるべきだ。
■過去に1度は断念
ロンドンとバーミンガムの中間に位置する英国のミルトン・キーンズで、営業コーディネーターとして活躍中の24歳の女性。
彼女は今、ヘアカラーの染料によるアレルギーがいかに怖いものか、オーガニック成分であっても油断は禁物だとして、美容業界と消費者に広く注意を呼び掛けている。
2010年に受けたヘアカラー前のアレルギー検査において、成分のパラフェニレンジアミンにアレルギー反応を起こすとわかり、しばらくヘアカラーは諦めていたその女性。しかし、その時たまたま体調が悪かったという可能性もあり、数年ぶりに挑戦してみたくなったという。
■2週間をかけたアレルギー検査
こうして久しぶりにヘアカラーを希望してみた女性は、担当してくれた美容師に相談したところ、「オーガニック成分の染料で、頭皮に染料が触れないタイプのものなら大丈夫」と勧められ、あるヘアカラーについてアレルギー・パッチテストが行われた。
即時型、遅延型と両方のアレルギーについても慎重を期するため、テストは2週間をかけて行われ、その結果は悪いものではなかった。こうして女性は念願のヘアカラーを施してもらったという。
■初発症状は首の痒みとほてり
妹の誕生日を祝うためにオランダのアムステルダムに旅行したその女性は、到着した日に首がほてってかゆくなり、アムステルダムの病院では抗ヒスタミン薬と点眼薬が処方されたが、快方に向かうどころか翌日には頭皮や顔の皮膚まで腫れ、ひどいかゆみが出てきた。
女性はすぐに英国に帰国し、地元の大きな病院に急ぐとそのまま入院。5日にわたりアドレナリン投与などの治療を受け、なんとか元の姿に戻れたそうだ。悲しかったのは、あまりにも変わり果てた彼女の形相に、見舞いに来てくれた家族ですら「誰なの?」と不審な顔をしたことだという。
■メガネがきつくて瞼が開かず…
ソーシャルメディアに公開された当時の写真は驚くものばかりだが、何より鏡を見た本人が一番驚いたはずだ。女性はメディアの取材に対し、このように述べている。
「メガネがきついと感じるようになり、続いて瞼がきちんと開かないことに気づきました。あわてて鏡を見てみたところ、私の顔は風船のようにパンパンに膨れ、エイリアンのようになっていました」
「自分のその顔を見た瞬間、死が私の頭をよぎり、パニックに陥りました」
「染料へのアレルギーがこれほど深刻なものだとは思いませんでした。もう二度とヘアカラーはしないつもりです」
■わずかのヒリヒリ感でも
アレルギー性接触皮膚炎など、ヘアカラーによるアレルギー発症の事例は日本でも増加の一途だ。
どうしても染めたいという客の気持ちが強い場合、パッチテストのちょっとしたヒリヒリ感を「これくらいなら大丈夫」と捉えてしまい、「何ともありません」などと返答してしまうことも。これがトラブルの主要な原因ともいわれている。
またアレルギーとは、長いこと大丈夫だったという人が、ある時からいきなり発症するところが怖い。そして、このたびの英国女性のようにパッチテストでは大丈夫だったのに発症という恐ろしい例もある。ヘアカラーは「無理は禁物」ということなのだろう。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)