顔全面に怖いタトゥーの被告人 弁護人がひと言…
タトゥーがびっしりという人に対し、あなたはどのような印象を抱くだろうか。
一般の人々から選任される陪審員。公正な陪審を心掛け、正義感とともに法廷に臨む彼らの前に現れた男の被告は、驚くほど恐ろしい顔をしていた。
■頭から首まで覆うタトゥー
2017年6月、ルイジアナ州のあるバーで2人の男性を射殺したとして、2件の第二級殺人罪に問われていた29歳の男の被告。このほど裁判所に出廷したその男の顔貌は、ドクロ柄を中心にスキンヘッドの頭頂から首までびっしりと不気味なタトゥーで覆われるという、異様なおどろおどろしさであった。
思わず眉をひそめた法廷の人々。裁判において、判事や陪審員が被告人に対して抱く印象は重要だ。まずい空気を察した弁護人が、そこでちょっとした一言を放ったことを『Fox News』ほかが伝えている。
■弁護人からの「お願い」
「どうか、被告人を見かけだけで判断しないであげて下さい」。
今月5日、被告の男に付き添いながら出廷すると、最初にそう口にした弁護人。もちろん裁判官も陪審員も、外見を判断材料にしてはならないことを承知のうえで法廷に臨んでおり、多くがその言葉に苦笑した。
その後、裁判は有罪の評決に至り、終身刑が言い渡されて結審した。あまりにもごもっともな「お願い」ではあったが、この男に限ってはやや無理がある。弁護士のその一言は今、アメリカの人々を苦笑あるいは爆笑させている模様だ。
■顔にタトゥーを彫る犯罪者たち
「この町一番のワル」を気負い、アメリカでは顔面に恐ろしいタトゥーを彫ってしまう犯罪者は少なくない。犯罪の内容より、タトゥーが理由で大きく報じられた事例をいくつか紹介してみたい。
・額に大きく拳銃のタトゥーを彫っていた男が、銃の不法所持につき逮捕される。地元警察がその写真をFacebookの公式ページで大きく掲載。市民の苦笑を誘う。(2018年6月 サウスカロライナ州グリーンビルで)
・左目を中心に彫られた$マーク、額や頬のキスマークほか顔面がタトゥーだらけという男が、加重暴行、DV、窃盗、強盗などで警察に繰り返し世話になり、35歳にして逮捕歴54回、前科54犯に。
そのタトゥーが目立ちすぎ、「何をやっても目撃証言のせいですぐに逮捕されてしまう」と本人もボヤく。(2018年11月 オハイオ州シンシナティで)
・23歳の男が危険運転につき警察に呼び止められ、車から拳銃2丁、ナイフ3本とライフル銃が出てきたため逮捕される。
顔面全体を蜘蛛がテーマの恐ろしいタトゥーが覆っていることから、「見るからにヤバイ犯罪者」として世界中のメディアが大きく報道。(2018年11月 オハイオ州オースティンで)
■タトゥーに対する印象は
タトゥーは日本でどれほどの理解を得ているのだろうか。しらべぇ編集部は、全国20〜60代の男女1,358名を対象に「刺青やタトゥーへの恐怖感」について調査。男女差はほとんどなく、全体の約5割が「恐怖を感じている」ことが判明した。
このたびの一件で、アメリカにおいてもタトゥーはその人物の印象を大きく左右する要因となり得ることがわかる。タトゥーに関しての決断は、どうか冷静かつ慎重であってほしい。
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(文/しらべぇ編集部・浅野ナオミ)浅野 ナオミ
対象:全国20代~60代の男女1,358名(有効回答数)