ドーピング検査で驚くモノを検出 男子プロバスケ選手は赤面
ドーピング検査における不正は、一流アスリートとして恥ずべき行為だ。
正々堂々、公平な条件下で競技が行われるため、そしてアスリートの健康な体を守るために行われているドーピング検査。尿検査において「不正」はやはりあるのだろうか。
■ドーピング検査で思わぬ物質が
欧州のプロバスケットボール・リーグであるリーグ・ナシオナル・ドゥ・バスケット・プロA(Ligue Nationale de Basket Pro A)。
そこに所属するチーム「ASモナコ・バスケット」でポイントガードとして活躍していたのが米国籍のドネル・D.J.・クーパー(Donell“ D.J.” Cooper)選手(28)であった。
そのクーパー選手が、このほど行われたドーピング検査の結果を受け、国際バスケットボール連盟(FIBA)から2年間の試合出場停止を命じられた。尿から思わぬものが検出されたことを受けたもので、プロ選手として事実上の引退になるだろうとみられている。
■「あなたは現在…」と検査結果
なんとその尿からは、ヒト絨毛性ゴナドトロピンという妊娠している女性の体内で産生されるホルモンが検出された。「妊娠中」という驚きの検査結果をチームや協会に知られたことで、クーパー選手はアスリートとして、そして男性として大変な恥をかいたことになる。
自分はれっきとした男だと主張する同選手。交際中のガールフレンドから尿をもらったことも白状した。目的はもちろんドーピング検査をパスするため。禁止薬物の摂取を何としても隠したかったからだ。
アスリートとして恥ずべきその行為は、「おそらく今回が初めてではない。これまでも繰り返されていたのだろう」と誰もが想像する。こうしてチームからも見放され、クーパー選手はこのほど「モナコを去る」と発表した。ほかのチームもこうした選手を受け入れるほど寛容ではない。
■祝福している場合ではない
「彼女がまさか妊娠しているとは思わなかった」とクーパー選手。そして「まさか私が妊娠していたなんて」と驚きを隠せないガールフレンド。その検査結果を得るまで、2人はともに妊娠を知らなかったそうだ。
尿検査における不正、チームへの裏切りなど、同選手の情けない行為は世界に広く報じられてしまった。選手生命の危機に立たされたこともあり、手放しでガールフレンドの妊娠を喜んでいる場合ではないだろう。
彼女とて、その不正行為に喜んで協力していたのであれば同罪だ。職を失った28歳のバスケットボール選手、来年にも誕生する赤ちゃんと自分。3人でどんな人生を歩んでいけばよいのか、おそらく悩んでいることだろう。
■これがドーピング検査の実態か
競技種目にもよるが、禁止薬物を摂取しているのではないかと疑われるアスリートについては、「ごく親しい関係にあり、決して秘密を漏洩しない者からこっそりと尿をもらっている」と書き立てられることが以前からままあった。
もちろんどの種目でも、選手らを管理する立場にある協会関係者は、厳正なドーピング検査を行なっていると断言している。
だが、このたびの奇妙な尿検査の結果には「やはり検査なんて適当なもの。尿の提出方法も抜け道だらけなのだろう」といった失望感にも似た批判の声が多数あがっている様子だ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野 ナオミ)