「歌が好きなのが忘れられなくて」 元看護師・結花乃が歌手として表現する音楽の形
看護師の経歴を持つシンガーソングライターの結花乃。彼女の今いままでとこれからについて聞いた。
■マルチすぎる才能も
楽曲もさることながら、彼女のすごいところは多彩な一面だ。その一つとして、リリースしているCDのジャケットのデザインが挙げられるだろう。
結花乃:シングル『いただきへの、はじまり』以外は、自分でデザインしました(笑)。絵のやつはもちろん描いているのですが、写真のほうも加工して作りました。ちなみに、『みんなのうた』で放送された金魚の絵は、原画を提出してます。
━━ほぼ全部…これは多彩すぎますね(笑)。
結花乃:母が習い事を沢山させてくれてたんです。ピアノだけじゃなく、水泳、そろばん、習字、塾…本当に毎日何かに行ってたんですけど、絵画教室だけは自分で行きたい! って言って習わせてもらいました。
そういえば、昔CDを自主制作していた時はCDを焼いて、歌詞カードとかジャケットの絵とかも描いてましたね。中には、曲に合う絵本を描いて、一緒に販売していたこともあります。
でも、絵本を描くより冊子の印刷方法の方が苦手でした…「1ページ目の裏は何ページの裏になるんだ…」みたいな(笑)。
■楽曲それぞれに主人公
曲に沿った絵本まで作ってしまうというのは中々聞かない話だ。しかし、意外なことにこれは彼女の楽曲制作とリンクしている部分があるのだとか。
結花乃:私が作っている曲って、1曲で1つの物語だと思ってて。歌詞から書くんですけど、物語を描くイメージでそこから曲にしていく感じで。
━━実際に曲を聞かせていただいたのですが、「花一匁」の妖艶な感じや「パチパチ、線香花火」の跳ねる感じは、それぞれの物語があるからこその違いだったりするんですか?
結花乃:そうなんです! それぞれが1つのお話なので、全曲主人公の設定があったりするんです。こっちは女の子でそっちは喧嘩気質の少年とか(笑)。「曲によって声色が違う」ってよく言われるんですが、それは曲ごとに演じているからかな。
━━でわ、特徴的な楽曲「わさび」はワサビが主人公?
結花乃:あれは遊び心で作った曲でして…(笑)。アルバム12曲を全部聞くと1時間くらいあるので、後半飽きちゃったら寂しいから…刺激を出したくて。
■日本中に広がる曲を
━━今回のアルバムの中で、最も「結花乃らしさ」が伝わるのはどの楽曲ですか?
結花乃:私っぽいのは「ごめんなさっちゅうざい」かな? ちょっと童謡っぽくもありつつ、でも歌詞の中身は深かったり。
目の前のお客さん以外に、自分の知らないところで楽曲がたくさんの方に出会ってくれているっていう感覚を知った…そう言う意味では「きんぎょすくい」は私の今後の代表曲だなって思っています。
そんな彼女が今見据えている目標を尋ねてみた。
結花乃:日本中でたくさんの人が知っているみたいな名曲を作っていくっのが目標です。そのためには曲作りを頑張っていかなきゃ…私は曲に対して難産型なので、もうちょっとリラックスしてね(笑)。
「楽曲が一人歩きして多くの人に届く」それが彼女の目標。ただ、一つ一つ丁寧に思いが込められた楽曲を聴いていると、それが叶うのも遠いことではない、そう思えるのだ。
<出演情報>
7/14 田子浦みなと祭り ふじのくに田子の浦みなと公園 (富士市)
7/28 PVEshowcase 横浜O-SITE
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(文/しらべぇ編集部・木根 大心 取材協力/<a href="https://twitter.com/yukanoyukano1">結花乃</a>)