「ご主人の姿を追い求めてる」 飼い主が逮捕・連行された警察署前に1年もたたずむ犬
犬は飼い主にあくまでも忠実。人と寄り添うことを愛する温かい存在だ。
コンパニオン・アニマルとも呼ばれる犬は、人間にとって親愛なる動物。渋谷駅前で主人の帰りを待ち続けた「忠犬ハチ公」の物語は、銅像となってその忠実さを今に伝えている。
まるでハチ公がごとく、罪を犯して刑務所に入ってしまったご主人の帰りを、じっとその建物や警察署の前で待ち続ける犬が伝えられた。
■健気さに涙する人も
アルゼンチン・ブエノスアイレス州のベインティシンコ・デ・マヨという町で、暴力事件を起こした男が1年ほど前に刑務所に投獄された。
男がかわいがっていた「Sheila(シェイラ)」は、ゴールデンレトリバーのミックスでメス。ご主人の匂いを追い、連行された警察署の前をうろうろするようになり、ついにそこから動かなくなってしまった。
ご主人の帰りを健気に待つシェイラの姿に警察官も市民も心を打たれ、代わる代わる水や食べ物を与えるようになって約1年になるという。
■ご主人に会わせてもらう日も
地元警察の副署長は『Tucumanalas7 News』の取材にこう語っている。
「最初はビクビクしている様子でしたが、親切にしてもらううちに馴染んでいったようです」
「世話をしてくれる職員と一緒にパトロールに出ることもありますが、署に戻ればやはりご主人の姿を追い求めている様子です」
「男が出所したらその後はシェイラに会えなくなる。そう考えるだけで寂しくなります」
また、彼らは時々シェイラを刑務所に連れて行く。ご主人のいる監房の目の前でスヤスヤと寝る姿には感動すら覚えるという。
■大ケガを負ってもめげず
数ヶ月前のある日、シェイラはブルドッグに襲われて大ケガを負った。警察官はすぐに動物病院に連れていき、治療を受けさせたという。
傷が癒えて退院したシェイラは、再びいつものポジションへ。治療費や15日間の入院費用は、すべて警察で負担してあげた。今やシェイラは皆のアイドル、癒しの存在なのだ。
■あと2年半の辛抱
男は3年半の服役を命じられている。シェイラにとってはまだまだ辛い日々が続くのだろう。ご主人が晴れて出所となる日、シェイラは尻尾をちぎれんばかりに振ってその足元に飛びつくにちがいない。
男には、シェイラに「もう2度と寂しい思いはさせない。ひとりぼっちにしない」と約束してあげてほしいものだ。
■ペットは悲しんでいる
しらべぇ編集部では、全国の20代~60代のペットを飼ったことがある人834名を対象に調査を実施。「ペットを捨てたことがある」と答えたのは9.3%であった。
犬は飼い主を慕い、あくまでも忠実。飼い主と寄り添うために存在するといっても過言ではあるまい。飼った以上、必ず大切にしてあげてほしいものだ。
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(文/しらべぇ編集部・浅野ナオミ)浅野 ナオミ
対象:全国20代~60代のペットを飼ったことがある人834名 (有効回答数)