インフルでも出勤強要、同僚は過労死 『ブラック企業エピソード大賞』がヤバすぎる

ブラック企業の体験談を募集するコンテストで1位に選ばれたエピソードが、想像を絶していた。投稿者は転職に成功したものの…

(violet-blue/iStock /Getty Images Plus/写真はイメージです)

「働き方改革」のかけ声もどこ吹く風、世はいまだブラック企業の花盛りだ。残業の証拠を自動で残せるスマホアプリ「ザンレコ」を提供する株式会社日本リーガルネットワーク社は、17日、第2回ブラック企業エピソード募集の大賞エピソードを発表した。

今回は「ブラック企業からの転職」をテーマに、脱出が成功したケースに焦点を当てて募集が行われた。


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■サービス残業は100時間超え

大賞に選ばれたのは、ペンネーム「雑煮」さんの投稿。東京都に住む30代女性による、以下のようなエピソードだ。

「毎月100時間以上のサービス残業は当たり前、人手不足でも雇ってもらえず、不足分は全て自分がカバーして出勤。1ヶ月休みがないことは当たり前、ひどい先輩は、会社が休みになる元旦から4日以外は全て出勤していました。


本来5人で回す仕事を1人で行っていたので、朝の7時から出勤し、店に泊まり込んでいました。閉店後に床にダンボールをひき、ダンボールと作業着をかけて眠り、朝方荷物が運ばれてくる3時から起床し仕事をしていました」


とくにタイムカードの不当な使い方が、サービス残業につながっていたようだ。

「タイムカードはありましたが、定時になると全員タイムカードを押しに行き、また仕事を続けていくよう上司から言われていましたので、意味はありませんでした。定時五分前にアラームをセットして押しに行くのです。そのあと何時間残業しようとも意味はありません。


現職では定時が15分でも過ぎればきちんと加算されます。残業も前職に比べて月20時間まで減り、転職当初はこんなに休んでは責められるんじゃないかと(普通に出勤しています)眠れない日々が続くほどで、責められたらどうしようと強迫観念に襲われて、休みの日も自宅で事務仕事をしていました」

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■インフルは「気合で何とか」

サービス残業だけでなく、健康管理についてもとんでもない状況だったようだ。

「また、インフルエンザにかかったときも、前職では『気合いで何とかなる』と出勤を強要され、フラフラで出勤し倒れるまで仕事をし、翌日一日のみ休んだものの電話が鳴り止まず『自己管理ができていない、寝食忘れて仕事をするくらいの気合いがあれば体調を崩さない』などと言われたのですが…現職は有給で1週間休み、フォローもきっちりしていただきました。


これが本来の会社なのか、仕事は休んでもいいのか、誰かに仕事を任せてもいいのか、有給は名前ばかりの夢物語ではないのか。色々な意味で驚きました。


前職では慢性的な人手不足に加え、社長以外は管理職含め全員が休みなしで働いている状態だったため、中小企業の会社だから仕方ないと思っていました。休みや残業手当がつくのは大企業だけだと本気で思いこんでいたのです」


投稿者の女性は体調を崩したというが、不幸中の幸いだったのかもしれない。

「仕事中パソコン前で亡くなった上司、仲の良かった同僚も2人過労で亡くなっています。今ならおかしいと思えるのに、当時は麻痺していたのか訴える気持ちも起きませんでした。


結局ストレスによる病で前職は退職に追い込まれましたが、結果として病気には感謝しています。現職はかなり恵まれていますし、休日ゆっくりすることで心身ともに余裕ができたためか、小さな体調不良も解消しています」

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