チケット不正転売禁止法の成立で電子チケット拡大の予感 「便利で楽しい」普及に期待

チケット「不正転売禁止法」の可決で注目を集める「電子チケット」。でもよくわからない…。ということで、「Quick Ticket」について話を聞いた

2018/12/30 17:30

■「セキュリティが甘い」「ダウンロードが手間」

2016年12月のリリースから、6,000を超えるイベントで活用されている「Quick Ticket」。「電子チケット3.0」と位置付けているとのことだが、3.0までの変化はどんなものなのだろうか。

河野:弊社では「電子チケット3.0」のみをリリースしておりますが、世間では1994年頃に「電子チケット1.0」が登場しました。QRコードやバーコードを利用した「簡易なチケットデリバリー方法」です。


画面を提示するのみでユーザーの手間や負担が少ないものでしたが、偽造・複製がたやすく、スクリーンショットでも入場できるなどセキュリティが甘いものでした。


続いて、2010年代前半に登場した「電子チケット2.0」は、スマホの普及に伴って同じく普及しはじめた専用アプリを利用したものです。


「不正転売防止」を徹底することが目的だったため、セキュリティは強化したものの、ユーザーからは「チケットの受け取りのためだけにアプリダウンロードは手間」という声を受けました。


そして弊社からは2016年、最新の「電子チケット3.0」をリリースしました。スマホやSNSの普及やブラウザ技術の発達に伴い、既存のLINEやメールを利用するものです。もともとのアカウントと結びつけるためユーザーは新たに発生する手間もありません。


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■今なお続くLINEの「アカウント乗っ取り」

LINEアカウントと連動で活用できるとのことだが…いまだに「アカウントの乗っ取り」などのトラブルが相次いでいる。チケット購入後にアカウントを乗っ取られた! という事態になってしまったら絶望的なのだが…。

河野:従来の紙チケットの紛失の場合、プレイガイドやファンクラブ運営会社などのチケット販売事業者様が対応するのが一般的です。電子チケットにおけるアカウント乗っ取りなどのトラブルでも、同様の対応をお願いしています。


現時点で「Quick Ticket」ユーザーからそのような報告は受けておりませんが、「LINEのアカウント乗っ取り」は対処すべき重要なリスクと認識しておりますので、より安全なサービスの開発を検討中です。


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■「便利で楽しい」を当たり前に

現在「電子チケット3.0」まで進化を遂げているが、今後さらなる普及が予想される。今後の課題は「よりユニバーサルで一般的な存在になること」とのことだが、どのような展望を抱いているのだろうか。

河野:老若男女問わず、使いやすいツールとなる必要があります。「スマホを持ってないとイベントに来られない」という状況は避けなければなりません。


今後は、スマホを持っていない方も含め、子供から高齢者まですべての世代の方に理解でき、違和感なく使えるツールを開発・展開できるように進化させたいと思います。「Quick Ticket」=「便利で楽しい」が当たり前となる世界を作りたいと思っています。


これまでQRコード型の電子チケットを活用していた企業側も「Quick Ticket」にしたことで、入場ゲートの設置負荷が大幅に削減されたそうだ。結果、「現場入り時間が3時間も短縮できた」との声もあったとか。

ユーザーとしては、時間の短縮はもっとも嬉しい変化。2019年、活用する企業も増えるとともに進化を遂げる「電子チケット」に期待したい。

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(文/しらべぇ編集部・長谷川 瞳

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