「内定者インターン」から「週7始発帰り」の地獄へ 他人ごとではないブラック就活の罠
正社員として入社する前、まだ学生なのにもかかわらず「週6日出勤」を求められた時点で気づければよかったのだが…
大卒の就職活動に企業での「インターン」が組み込まれるのは、今や一般的になった。短期の業務体験的なものから、アルバイトのように長期にわたるものまで、さまざまな会社がインターン制度を導入している。
しかし、中には学生を酷使し搾取するような悪質な「ブラックインターン」が存在するようだ。残業の証拠を自動で残せるスマホアプリ「残業証拠レコーダー」を提供する日本リーガルネットワークに寄せられた、ブラックすぎるインターン体験談を紹介しよう。
■内定者インターンとして週6出勤
ゆいさんは、業界シェアNo.1のITベンチャーによる「新規事業を担う新卒募集」に応募。採用が決まった。
「大手の内定も蹴り、夢いっぱいで総合職の内定を受諾しました。大学4年になると会社から『インターンとして働いて今からキャリアを積まないか? もちろん来られる時だけで大丈夫!』と誘われ、いざ行くと1ヶ月もしないうちに週6の出勤。
しかもインターンは8時間未満の勤務は4,000円/日、8時間以上の勤務は8,000円/日しか払われない。大学がある日は7時間のシフトを組まれ、大学がない日は毎日12時間働いた。
それも、『営業の経験を積んだら新規事業の企画を』と言われ内定を受諾したのに、慢性的に人手が足りない開発部署に放り込まれ、誰からも教えられずに独学でプログラミングを続ける日々」
■週7で「始発帰り」したものの…
明らかに「話が違う」と思われそうな会社だが、ついに入社してしまったゆいさん。その後も厳しい日々が続いた。
「気づけば大学を卒業して正社員として入社。半年いればベテラン、といわれている会社で1年も働いていたので、入社後すぐにチームを任されることに。誰も何も教えてくれない週7で始発帰りの日々。もちろん残業代など払われない。
チームメンバーは全員年上なので指示にも従わず、上司には毎日2時間会議室に押し込まれて罵声を浴びせられ続ける。
それでも尊敬できる先輩を見つけ、何とか二人でがんばって大きなプロジェクトを成し遂げたが、会社への報告書からは僕らの名前が消され、上司の手柄となっていた」
異常な残業、そして過度のストレスはゆいさんの心と体を蝕んでいった。
「そこから心が壊れ始め、上手く寝られずアルコール中毒に。朝は起きれば涙が止まらず、玄関を開けようとすると嘔吐。電車で失神して気づけば病院に。精神科からは重度の抑うつと診断された。
幸いすぐに休職が決定し、1ヵ月後に退職。現在も後遺症があり、朝はうなされて動けないが、現職では裁量労働制を特別に適応していただき、何とかITコンサルとして働けています」