今年の漢字は「災」 災害多発の2018年、メディアに「報道の自由を濫用」と感じる人も
災害が多く、今年の漢字も「災」だった2018年。それを伝える報道陣には批判が?
12日、日本漢字能力検定協会が毎年発表している今年の漢字が「災」に決まった。これは2004年に続き2度目で、西日本豪雨や大阪・北海道の大規模な地震・猛暑など、災害が相次いだことなどから採用されたようだ。
そして来年は災害が起こらない一年であってほしいという願いも込められているものと思われる。
■報道陣の取材方法に批判
災害時に関連して、猛批判を浴びたのが報道陣の振る舞いだ。大阪地震では一部記者が亡くなった児童の友人にインタビューをする、葬式に押しかけるなどし、炎上。
『ワイドナショー』(フジテレビ系)で松本人志も「不愉快だ」と苦言を呈したほど。 さらに北海道地震でも、あるTwitterユーザーが被災者のために炊き出しをしていたところ、「報道陣のご飯ないんですか? と声をかけられた」と訴え、物議を醸した。
そんな状況から、「落ち着くまで被災地での取材は遠慮するべきだ」と主張する人も多い。
■「報道の自由」濫用しているとの声も
災害時以外にも政治家への取材方法や、問題を起こした著名人にしつこくつきまとうなど、その手法について「報道の自由を濫用している」と指摘する声もある。
しらべぇ編集部が全国の20代から60代男女1.537名を対象にした調査では、48.1%が「報道の自由を濫用していると感じた瞬間がある」と回答。 じつに約5割が報道の仕方に違和感や疑問を持っているのだ。メディアとしては大いに反省せねばならないだろう。
■濫用していると感じている人の意見は?
メディアが「報道の自由を濫用している」と感じているIさん(50代・男性)に聞いてみた。
「大阪地震の際、小学校に許可なく取材陣が突入して学校関係者に静止されたり、事故で亡くなった女児の同級生に話を聞いたりしていて、『なんのための報道なのか』と憤りを覚えた。
阪神大震災では、助けを求める人の声が報道陣の乗ったヘリコプターの音に遮られ、命を救えなかったと聞いている。最近はTwitterで助けを求めることもできる。
メディアは落ち着くまでそれを拡散すればいい。 災害に限らず、視聴率やスクープのために弱っている人に対してマイクとカメラを向けるのは、報道の自由の完全に濫用していると思う」
■自制を促す人も
一方Nさんは自制を促す(20代・男性)だ。
「メディアが伝えることで認知されることもある。行き過ぎた取材はもってのほかですが、実際に足を運んで話を聞くことでわかる内情もあるのでは。
ただ、やっぱりおかしいなと思う取材があることも事実。そういうメディアや記者は今後取材を禁止するようなシステムを作ってみてはどうかと思う」
様々な意見があるが、「濫用している」と感じている人が5割存在していることは紛れもない事実。「災」が今年の漢字となった2018年、メディアは「取材方法」について再考する必要がありそうだ。
・合わせて読みたい→浜崎あゆみ「弟」のライブ会場に出没し騒然 「あざとい」「落ち着きなよ…」
(文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
対象:全国20代~60代の男女1,537名 (有効回答数)