石破茂氏、独占インタビュー 今注目の「入管法改正案」や「北方領土交渉」に直言
「次期総理」とも目されるキーマンは何を語るのか。直撃した。
筆者は石破茂「自民党」元幹事長に11月29日に独占インタビューした。石破氏が入管法・改正や北方領土・交渉について、メディアを前にして口を開くのはこれが初めてだ。「次期総理」とも目されるキーマンは何を語るのか。直撃した。
■入管法改正のメリットとは
———昨日、入管法改正案が衆院を通過しました。審議が不十分だった点もあり、不安に感じている国民も多い。入管法改正で何のメリットがあるのか、どのような国益につながるのでしょうか。
「地方あるいは中小企業、建設現場などにおいてとにかく働く人が決定的に足りない現状がある。そこに外国の方に来ていただき、働いていただくことで、一時的に人手不足の解消は期待されます。それが最大のメリットといえるのではないでしょうか」
———一時的ということですが、長期的にも外国人労働者・技能実習生は受け入れていくのでしょうか?
「日本の生産人口年齢はこれから恐ろしく減っていくわけですから、上限を定めるのか、定めないのか、まず慎重に慎重を重ねて議論しなければならない。
あるいは特定技能一号から特定技能二号に移ったときにご家族も帯同してくるということになれば、社会保障などをどうするかなども議論する必要がある。
人口は長期的に減っていくわけですから、それに対してどう対応していくということは、この法案が成立したからこれで解決と言うことにはならない。
私は総裁選で日本の人口減少について時間をかけて話しましたが、真剣に議論するときに来ています。我々は人口減少社会においてどのような社会モデルをつくるのか考えなければならない」
■政府と地方の責任とは
———90年からブラジル移民の日系二世や三世やその配偶者などの受け入れが始まり、多くの日系移民が群馬県の大泉町に移り住みました。
総人口41,876人(平成29年12月末現在)の大泉町には7,585人(人口比率約18.11%)の外国の人が住んでいて、自治体の中でも外国人比率は最多です。
大泉町に行くとブラジル語表記でブラジルの商品が売られるお店がいくつもあります。多文化共生を目指してきた大泉町は悲鳴をあげています。
社会保障や日本語教育、日本社会への受け入れも自治体・民間任せ。ブラジル語官報や様々な資料の作成も自治体任せ。ブラジルと同じ教育が受けられ、ブラジルの高校卒業資格を得られる学校を作ったのも民間です。
地元の人には「共生」ではなく「分生」だという人もいた。つまり、日本人とブラジル移民が分かれて生きている。このような自治体任せ・民間任せの現状をどう思いますか?
「政府として、そのことについてどう考えるか。地方にそのような対応ができ、すべてが整っているかと言えばそうではない。
ドイツにしても韓国にしても外国人労働者を受け入れているところは、国の責任において、その国の言語であり、社会のいろいろな決まりであり、そういう暮らしていく上で必要不可欠な諸々のことを教えているわけです。
それを地方に任せっきりというのはよくない。今後どうすべきかということについて、真摯に議論していかなければなりません」