本当に呼吸できるの!? カナダの科学者が空気も入らない完全密室で「密封生活」に挑戦
「植物の光合成で酸素を得る」という計画だったが…
2018/10/31 12:00
カナダに住む科学者が、密封された自作のバイオドームで暮らす様子をネットで公開し、気候変動が世界に及ぼす影響に警鐘を鳴らした。
環境科学の修士号を持つカーティス・バウテ氏は、ユーチューバーでもある。単なる「植物を愛するマッドサイエンティスト」ではない。科学を身近に感じさせてくれる、ちょっと風変わりな科学者なのだ。
■小さなバイオドームの中に世界を再現
今年8月、バウテ氏はインスタグラムで「小さなバイオドームを作ってその中で生活する」と宣言。
「うまくいけば、僕が吐き出す二酸化炭素で植物は成長し酸素を作り出す。それを僕が吸い込む。お互い生き延びられるはずだ」
200以上の植物で埋め尽くされた自作のバイオドームの広さは、1000平方フィート(約300立方メートル)で、映像を見るとわかるとおりそれほど広い空間ではない。
酸素濃度やバウテ氏の健康状態を計測し、危険な場合は警告が出るよう万全の状態で実験初日を迎えた。
■いざ実験開始したものの…
24日に始まった「密封生活」の様子はTwitterやvlog、ポッドキャストでのインタビューなどで公開された。ネット上では「トイレはどうするの?」などバウテ氏の様子を心配しつつも、その行動を称賛する声が上がった。
「酸素濃度計から目を離さないように!」
「体調が心配だけど、カーティスの行動は称賛に値する。世界が直面している緊急な問題なのに、みんな無関心すぎると思う」
しかし、初日の天候は曇り、植物が酸素を生成するために必要な日光が当たらなかったため、二酸化炭素の濃度が上昇。実験は開始から14時間で終了することとなった。
■気候変動への関心喚起が狙い
「誰もがきれいな空気を吸う権利を持っているはずなのに現実はそうではない。このバイオドーム内の環境もそれと同じこと」「みんなが気候変動に関心を持ってもらうことがこの実験の目的だった。でもこれはただの始まり。ライフスタイルを見直して行動に移そう!」とバウテ氏は語る。
計画どおりには進まなかったものの、バイオドームから出てきたバウテ氏に対して、Twitter上ではさまざまな反響があった。
「無事に出てこられてよかった!ようやく私も息が吸える。実験を公開してくれてありがとう」
「今日から週5日はベジタリアンになろうと思う。カーティス、君にインスパイアされたよ」
「おめでとう! 外に出たのを見て安心したよ。動画の公開が楽しみ!」
実験の様子はまもなくYouTubeで公開される予定だ。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)