辻仁成、『新潮45』休刊の発表を受け「責任放棄」「議論の中で出口を探せ」に反響
25日、批判殺到中だった『新潮45』が休刊を発表。これを受けて作家の辻仁成はツイッターで私見を述べた
1985年の創刊以来、33年間に渡り『新潮45』を出版してきた新潮社は25日、同誌の休刊を発表。これに対し、作家の辻仁成がツイッターで「休刊でかわすのか?」「納得できん」と投稿し、共感の声が挙がっている。
■『新潮45』休刊を発表
しらべぇ既報のとおり、今月18日発売の『新潮45』(10月号)に掲載された記事が炎上していた。表現に対して「偏見」「差別的」などと批判を受けていた。
これを受け25日の午後、新潮社はホームページで「休刊のお知らせ」と題し、同誌の休刊を発表した。
「ここ数年、部数低迷に直面し、試行錯誤の過程において編集上の無理が生じ、企画の厳密な吟味や十分な原稿チェックがおろそかになっていたことは否めません」と、十分な編集体制を整備していなかったことを説明。
「このような事態を招いたことについておわび致します」と謝罪し、休刊を決断したと伝えた。
■「休刊は責任放棄にすぎない」
作家の辻仁成氏は26日、自身のツイッターを更新。『新潮45』の休刊決定に「新潮45の休刊はいかん、佐藤さん」と、新潮社の佐藤隆信社長へ呼びかけるように切り出した。
新潮45の休刊はいかん、佐藤さん。LGBTや世論の批判を45休刊でかわすのか?休刊は責任放棄にすぎないし新潮社の根本理念に反する。言論の自由を何度も盾にしてきた新潮社が休刊で逃げたら編集者魂はどうなる?謝罪意思が本当にあるなら45を続けて議論の中で出口を探せ。社員も読者も作家も納得できん。
— 辻仁成 (@TsujiHitonari) September 25, 2018
つづけて、「LGBTや世論の批判を45休刊でかわすのか?休刊は責任放棄にすぎないし新潮社の根本理念に反する。言論の自由を何度も盾にしてきた新潮社が休刊で逃げたら編集者魂はどうなる?」と投稿。
「謝罪意思が本当にあるなら45を続けて議論の中で出口を探せ。社員も読者も作家も納得できん」と私見を述べた。
■「逃げた!?」「再発防止策を挙げて」
辻は、以前から売上部数が落ちていたことにも触れ、「いい機会だから謝罪に見せかけて休刊にしちゃえっっていうような浅い考えにしか思えません…(^ω^;);););)」とツイートを連投。
休刊の発表を受け、ツイッターでは「逃げた」との言葉で溢れ、辻のこれらの指摘に共感の声が挙がっている。
「誰に謝罪!?幼稚な言い訳!責任は!?休刊で逃げた!? 何処が何故偏見で差別で不見識なのかを明らかにして、杉田水脈らヘイトを無くす取り組みが必要だ」
「休刊って、蓋をして逃げた、ってだけに見えるんだけど。再発防止策を挙げて」
「差別を掲載したという責任に向き合ってない。反省って休刊することじゃないでしょ」
「辻さんのいうとおり。『言論の自由を守る』と謳っていた会社の責任放棄」
読者だけではなく、社内や連載を担当していた作家などからも批判の声を浴びている『新潮45』。このまま「休刊」という形で片づけるのか、新たな展開があるのか、注視したい。
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(文/しらべぇ編集部・長谷川 瞳)