訃報を受けて身内を取材 「死者への冒涜」「ゲスのゲス」と一部マスコミに批判殺到
近親者を亡くした人に一部マスコミが追いかけまわすことは、以前から問題視されている。
■宇多田ヒカル「死者への冒涜だよ」
2013年8月、宇多田ヒカルの母で歌手の藤圭子さんが亡くなった。
「葬儀は行わなず、火葬のみとすること」と「出棺の日程は未定」と伝えられていたにも関わらず、宇多田が葬儀場に入るという情報を得たのだろう、マスコミは霊きゅう車の助手席に乗っている宇多田を囲んだ。
取材陣のカメラのフラッシュと問いかけがやむことはなかった。翌月、宇多田は自身のツイッターでマスコミの行動に対して「死者への冒涜」と綴った。
家を張られたり尾行されたりは今に始まったことじゃないししょうがないと思ってるけど、マスコミに対する気持ちが変わったのはママの出棺の時。ある程度覚悟して助手席に座ったけど、まさか報道陣が霊柩車の前に立ちはだかって出棺を妨げてまで私を撮影すると思ってなかった。死者への冒涜だよ…
— 宇多田ヒカル (@utadahikaru) September 18, 2013
■松本人志「お前らゲスのゲスや」
松本人志は2014年に8月に父親が他界。直後に実家の母親に取材する週刊誌記者の行動について、自身がレギュラー出演中の『ワイドナショー』(フジテレビ系)で、怒りをあらわにした。
松本いわく、実家にきた記者が、松本のことや父親のことを聞いてきたという。松本の母は、記者を雑に扱うと息子(松本)が悪く書かれるんじゃないかという想いから、取材に応じたそうだ。
「せめて1カ月くらい置くとかね。こないだ(葬儀が)終わったとこじゃないですか」「まだ心身ともに完全に立ち直っていない素人のおばあちゃんを相手に、取材しに行くことが信じられない」と述べ、「ほんまお前らはゲスのゲスやな!」と強く非難した。
■市川海老蔵「お察しください」
2017年6月、市川海老蔵の妻で、フリーアナウンサーとして活躍していた小林麻央さんが闘病の末、亡くなった。
自宅周辺の様子で亡くなったことを察知した一部の記者は、自宅に幼い子供もおり夜中にも関わらずインターホンを鳴らし、玄関前で大声を出していたという。
近隣への迷惑にもなるため、海老蔵はブログを更新。「人生で一番泣いた日です」と切り出し、「お察しください」「近隣の方々のご迷惑になるのでひとまずおかえりくださいませ」と綴った。
それでも、現在の海老蔵の様子を捉えようとする記者もいた。『バイキング』(フジテレビ系)では、MCを務める坂上忍が「海老蔵さんが会見開くので、お察しくださいて言ってるんなら、そっとしてあげよう、次にいきましょう」と涙ぐみながら話した。
表舞台で活躍する芸能人の場合、一般人よりプライバシーが制限されるのは、やむを得ないこともあるだろう。
しかし、身内に不幸があった人の心情を汲み取ることが大前提だろう。刑事事件においても、被害者や被害者家族を必要以上に囲み、追いつめてしまうことは避けなければいけない。できる限りの配慮は忘れてはいけないはずだ。
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(文/しらべぇ編集部・長谷川 瞳)