伝統ある百貨店「大丸梅田店」でオトナ向け商品が大盛況 仕掛け人を直撃
女性向けセルフプレジャーグッズ『iroha』のショップが、百貨店に登場した。
■トップの「鶴の一声」で
「百貨店で18禁商品を売る」というぶっ飛んだ企画は、どのようにして形になったのだろうか。
松井さん:今どきはネットでも買える商品を、百貨店がどう実店舗で売っていくのかが課題となっています。
梅田店としては「大阪にこにこ百貨店化」というコンセプトを立てて、ソリューションとエンターテインメントの二極で、体験の価値を重視しています。今回の企画は「ソリューション」ということで、TENGAさんにご提案したものです。
まさかの「百貨店サイドからの提案」は、男性社員2名が企画したもの。松井さんには離婚経験があり、もう一人も夫婦間がぎくしゃくしていたという。
松井さん:僕も、次の結婚は失敗できないなと(笑)。そのためには何が大切かと考えたら、「夫婦間のコミュニケーション」だと思いました。子供を授かったご夫婦でも、夫婦間の愛が減少していくのは残念でさみしいことです。
秘めごとではあっても二人でしっかり話し合って、夫婦の愛を取り戻し確かめ合うために、こうしたグッズやお客様への提案が必要ではないか…というプレゼンを経営陣に対して行いました。
プレゼンをするまでは、社内でもネガティブな意見が目立ったのですが、「夫婦愛というテーマは自分にも察するところがある。堂々とやりなさい」と背中を押してくれて。
■日本社会に変化の兆し
買っていく客層は40〜50代の女性が8割くらいとのこと。日本社会で、もっともセックスレスや夫婦間トラブルに悩んでいる世代だろう。
「お客様が堂々と買っていかれる姿がすごく嬉しかった。日本の社会が変わってきている動きのひとつなのかな」と語る松井さん。また、iroha広報の西野芙美さんは、「女性が比較的オープンな気質の大阪でのスタートだったこと」も成功の要因と分析する。
■iroha社員による相談コーナーも
また、こちらのショップでは、iroha広報担当による「お悩み相談室」も開催された。女性からは、性交痛など誰にも相談できないカラダやメンタルにまつわる悩みも多く寄せられたという。
性生活の充実は、クオリティ・オブ・ライフの向上にも直結する。とくに、男性のように性風俗店などで解消するのが難しい女性の性やセックスレスといった課題を伝統ある百貨店が解決しようという挑戦は、注目に値する。
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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)