五輪担当相、社会人にボランティア休暇を要請 「強要されてる感じ」と批判相次ぐ
五輪・パラリンピック担当相が経済団体に「ボランティア休暇」の制度を設けてほしいと要請。
2年後に迫った東京五輪・パラリンピック大会。五輪・パラリンピック担当相が経済団体に対し「ボランティア休暇」の制度を設けてほしいと要請した。この報道に、ネットでは批判的な意見が飛び交っている。
■「強要されてる感じ」
2日、五輪・パラリンピック担当相は経済団体の幹部と意見交換会を開いた。その中で「社会人がボランティアに参加しやすくするためにボランティア休暇について考えてもらいたい」と要望した。
また、学生のみでボランティアの運営は大変であり、社会人に参加してもらうことで大会全体の成功につながるとして、「休暇制度を整え、積極的に参加してほしい」と呼びかけている。
この「ボランティア休暇」制度の要望と、9月中旬から12月上旬まで応募受け付け、翌年1月から面接や説明会、10月からは本番に向けた研修…と、本番前に結構な時間が割かれることに関しても、ネットでは批判の声が多数あがっている。
・なんだろう、このボランティア、ボランティアって強要されている感じ。
・積極的に参加したくなる、なにかを打ち出してくださいよ
・働かせるならお金払いなよ。なんで市民を無料で使う気満々なの?議員とかクーラー効いたとこで指示してるだけでしょ。
・ボランティアするまでの拘束時間、なかなかだな
・国家公務員や公務員をボランティア扱いさせそう。
■「ボランティア休暇」とは
6月に決定した大会ボランティアの募集要項(活動条件)は以下の通り。
・1日8時間程度(休憩・待機時間を含む)
・連続での活動日数は5日以内が基本
・一定額の交通費は支給
これが発表されたときも、猛暑の中で長い拘束時間や、宿泊費の支給もないことから「ブラックボランティア」という声や、既報のとおり、不当に安い給料や劣悪な環境で働かせ、金銭の代わりにやりがいを報酬として与える「やりがい搾取」との声が多数みられた。
ただ、ここでいうボランティアと企業の制度「ボランティア休暇」は大きく違う。1995年の阪神・淡路大震災における市民ボランティアの活躍をきっかけに、「ボランティア休暇」制度を導入する動きが広がった。
とはいえ、日本で制度を導入しているのは、大企業のごく一部であるため、知らない人も少なくないのではないだろうか。
「ボランティア」と聞くと「無給」というイメージがあるが、企業が導入する「ボランティア休暇」制度の場合、休暇期間中は給料・賞与相当額が援助金として支給されるのだ(企業によって、対象となる活動や付与日数などは様々)。