森保一新監督って何者? サッカー日本代表が目指すべきものとは
日本サッカー協会は26日、森保一代表監督の就任を発表した。
2018/07/26 20:30
■長期政権も?
A代表と五輪代表を同じ監督が指揮するということになると、長期政権の可能性も見えてくる。今回の発表では4年契約とされているが、東京五輪やカタールW杯の結果次第では続投もあり得るのではないか。
育成世代である五輪代表をA代表の監督が直接見ることの意義は大きい。A代表で目指すべきサッカーの下地を育成世代に直接指導できる上、若い選手にとっては、五輪代表でのアピールが直接A代表へのアピールにもつながることになる。
外部からの視点では分かりづらい選手の特徴も、内部の人間であれば詳細にわたって把握することができる。有望な若手を突然A代表に抜擢するなどの思いきった人事も、同じ監督であればやりやすいはずだ。
これまでの日本代表では、長くても4年で、基本的にはW杯の開催ごとに監督が交代してきた。それはチームの目指すべきものを模索していたからという面もある。育成から同じ人間が一貫して指揮を執るシステムがうまく回れば、長期的なスパンで代表をプロデュースしていくことが可能になる。
さらに、森保監督がまだ若いという点も重要だ。仮に今後10年監督を続けたとしても、まだ60歳にも満たない。長期政権を任せるには、そういう意味でも適任であると言える。
■代表のチームカラーを明確に
もちろん監督の交代にはさまざまな理由があるが、選手にしてみれば毎回「違うチーム」に呼ばれるための準備をしなければならないことになる。今までは「あの監督にはこういう選手が必要だったが、この監督だとそれは当てはまらない」ということが常態化していた。
代表のチームカラーが明確になれば、そういった問題は生じにくくなる。「日本代表はこういうチームだから、こういうプレーができれば代表に呼ばれる」と選手が確信を持ってトレーニングできるようになるだろう。
もっと大きな視点で言えば、全国のサッカー少年たちも明確に「日本のサッカー」を指向して練習ができるようになる。それは日本サッカーのレベルを底上げすることにもつながり、チーム戦術の共通理解がより容易になることも意味する。
世界の列強と日本の一番の違いはそこだ。強豪国には「フットボールというものはこういう戦術で行われるスポーツだ」という文化がそれぞれあり、その国の子供たちはそれを明確に刷り込まれて育つ。日本にはそれが全くない。
パスサッカーの国では子供たちも当たり前にパスサッカーをこなし、堅守速攻の国では子供たちも当たり前に堅守速攻のサッカーで育つ。「日本らしいサッカー」も、そういうレイヤーまで浸透しなければ「本物」にはならないということだ。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)