メタル一筋で還暦を迎えた男 ANTHEM・柴田直人の自伝が新事実満載でスゴすぎる

ジャパニーズ・メタルの重鎮、ANTHEMの柴田直人がその前半生を語った自伝を出版。

■「『ハイウェイ・スター』はポップ」発言の真意

常見陽平


常見:「自伝」であるがゆえに、どのような音楽を聴いてきたかという話が興味深いです。中学校でみんなの前で井上陽水を演奏した話をはじめ、影響を受けた音楽について、ハードロック、メタル系のアーティスト以外の名前が多数出てくるのが印象的でした。


たしかに、柴田さんのFacebookで紹介される音楽はメタル以外が多いな、と。中でもインパクトのあった言葉が「(ディープ・パープルの代表曲)『ハイウェイ・スター』はポップだ」という発言です。


柴田:僕にはポップに聴こえました。リッチー・ブラックモアは、言うまでもなくハードロックギタリストの雄ですが、でも、感覚的にはかなりポップですよね。ロックギターですけど、ポップです。


彼がやってきたディープ・パープルも、レインボーもポップな曲がじつは多いです。それに音楽的にもじつに自由なところが好きです。


ハードロックバンドでありながら『Since you been gone』のようなポップなナンバーをやりますし、グラハム・ボネットのようにリーゼントにスーツの上下というルックスのヴォーカリストを入れましたし。


常見:「『ハイウェイ・スター』は…ディープ・パープルはポップだ」は名言すぎて、「ああ、言われちゃった」と。膝を叩きますよ、これは。


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■アニマルズもポップでかっこいい

柴田:きっと優れたミュージシャンは自然とポピュラリティーを意識しているものなのだと思います。僕には、アニマルズもロックだし、ポップでかっこいいと思っています。日本のフォークソングで言えば『竹田の子守唄』なんかも大好きですよ。


常見:ANTHEMは「ジャパニーズ・メタルの重鎮」として紹介されることが多いですし、その看板に偽りはないわけですけど、じつはポップですよね。


そういえば、今日、ここにくるときに車内でANTHEMを聴いていたら、一緒に乗っていたカメラマンが「凄いポップですね」って言っていたんですよ、自然に。「演奏はハードだけど、メロディーがポップ」だと。


柴田:あぁ、それは光栄ですね。

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