卑劣な盗撮犯に詐欺を働く「盗撮ハンター」 警視庁による逮捕を弁護士が読み解く

卑劣な盗撮犯を狙って詐欺行為を行う「盗撮ハンター」が逮捕された。

スマホ撮影
(santypan/iStock/Thinkstock/画像はイメージです)

レイ法律事務所・弁護士の河西邦剛です。

今月12日、JR原宿駅前で30代の男性に「盗撮していたでしょ、見てましたよ」などと声をかけ、示談金名目で現金100万円を脅し取ろうとした20代の男が、17日、詐欺未遂の容疑で警視庁捜査一課に逮捕されたと報じられました。これはいわゆる「盗撮ハンター」と呼ばれる犯罪です。


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■盗撮ハンターの手口とは

盗撮ハンターの盗撮犯への接触方法で典型的なものとしては、駅や路上等で盗撮をしている盗撮犯を見つけ「いま俺の彼女を盗撮してただろ!」と声をかけるものがあります。

ただ、この盗撮ハンターは「俺の彼女」とは言っているものの、実際には盗撮の被害者とは無関係であり、彼氏のふりをしているにすぎません。

そして、盗撮犯に接触した盗撮ハンターは「さぁ警察にいくぞ!」といい、盗撮犯のほうから「すみません。なんとか示談にできませんか。お金ははらいますので」と切り出すのを待つわけです。

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■手口には共通点も

このような盗撮ハンターの手口には共通するところがあり、盗撮ハンター自ら盗撮犯に対して示談金を払えとは言わず、盗撮犯の方が「お金を払う」というのを待ちます。

そのうえで、盗撮ハンターは、スマホで東京都の条例などを盗撮犯の方に見せながら罰金の上限が100万円であることを指摘し、示談相場は100万円であると示唆します。

そして、盗撮犯に手持ちのお金がない場合には消費者金融でローンを組ませるという方法を取ります。

盗撮ハンターの中には、ご丁寧に「お金を借りる際には示談金というな。海外旅行に行くと言え」など消費者金融での具体的流れについて指示してくるケースもあります。

私が脚本を務めた漫画でも詳しく解説しておりますので、ぜひご覧ください。

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■「警視庁による逮捕」に注目