女子ハンドボール部事件で再燃の体罰問題 その必要性について聞いてみると…
教育やしつけのための体罰は必要なのかを調査。その答えは…
しらべぇでも既報の通り、岐阜県の高校女子ハンドボール部コーチ(60)が部員に対し、顔を殴ったり髪を持って引っ張り回したりなどの体罰を与えていたことが判明し、衝撃が広がった。
当該ハンドボール部は全国高校総体8強に入ったことがある名門。このコーチは恐らく「チームを強くするため」を理由に、体罰を与えていたものと思われる。
スポーツに限らず、「どんなことがあっても暴力はいけない」一方で、「教育やしつけ」として体罰を与えることは一定の効果があるとの意見もあり、現在も議論されている状況だ。
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■教育やしつけのための体罰は必要?
世間は「教育やしつけのための体罰」について、どのように考えているのか。しらべぇ編集部では全国の20代~60代の男女1,353名に、「教育やしつけに体罰は必要ないと思うか」どうかの調査を実施。
結果、「自分もそうだ」「共感する」を合わせた「必要ない派」は32.5%、そして「理解はできる」と答えた人は42.2%。合計74.7%が、体罰について否定的な考えを持っている。
一方、「違和感がある」が15.5%、「おかしいと思う」は9.8%で、教育やしつけのための体罰に寛容な考えを持つ人が、25.3%存在していることがわかった。
■寛容な人は…
体罰に寛容な人を性年代別で見ると、傾向が出た。
軒並み割合は低いが、50代男性は17.2%が「体罰やしつけが必要ないという考えはおかしい」と回答している。この世代はスポーツ部などで「シゴキ」を経験し、実際の体罰の効果を見てきたのだろう。
■否定・寛容それぞれの意見は?
体罰について否定的な人、寛容な人、それぞれに話を聞いてみた。
<否定的な人>
「どのようなことがあっても、暴力は振るうべきではない。自分は野球部で理不尽に殴られてきた世代ですが、本当に嫌でした。かつて運動部では練習中に『水を飲むな』が当たり前でしたが、今は水分を取らないと熱中症や脱水症を起こすため、飲ませるのが常識。
体罰も同じように、過去の遺物とするべきでしょう。しっかりと怒っている意図を説明すれば、暴力は必要ありません。元巨人の桑田真澄さんも、そのような意見を持っており、共感しました」(50代・男性)
<肯定的な人>
「良いことと悪いことをしつけるためには、多少の体罰は必要だと思う。そうでないと、大人をナメきった生意気な子供が増えてしまいます。
子供の頃に理不尽に耐えることは、将来に役に立つ。もちろんやりすぎはよくありませんが、ある程度はなきゃいけない。甘やかすだけでは、人は育たない」(60代・男性)
賛否両論の「教育やしつけの体罰」。好ましくない行為だが、善悪を教えるために必要と考えている人も存在する。
また、昨今では体罰問題を逆手に取り、教師を挑発する子供がいるなど、一筋縄ではいかない面もありそうだ。
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(文/しらべぇ編集部・佐藤 俊治)
対象:全国20代~60代の男女1,353名(有効回答数)