イケメン、独身、29歳で初当選 小林史明政務官がもっとも喜び感じる瞬間は…
総務大臣・内閣府大臣政務官を兼務する、期待の若手政治家のひとりだ。
■政治家になってよかったことは?
政治家としてもっとも喜びを感じる瞬間についても聞いてみた。
小林:政治家という仕事を始めて「よかったな」と感じるのは、法律や予算を変えることで、人の意識が変わったなと感じる瞬間です。
たとえば宮城県の東松島市では、海に仕掛けた定置網に魚探センサーをつけ、漁に出るタイミングを陸上から確認できるという実証実験を行いました。
もともと港から漁場へは10分で行けたのが、震災によって1時間かかるようになり、漁師さんたちにとって物理的にも心理的にも海が遠くなってしまった。
そこで、ICTを活用することで、漁師さんたちが海とつながっている感覚を取り戻すことができた。
テクノロジーって無機質な印象があるかもしれませんが、時間や場所の制約なく、どこにでもチャンスをつくることができる。自信を失っていた漁師の方たちの気持ちが前向きになったとき、「やっぱりこれだな」と思いましたね。
■政治家は社会起業家の一種
一方、さまざまな困難もありそうに見える政治の世界。どんなことに大変さを感じているのだろうか。
小林:議員同士の意見をまとめるのが、いちばん大変ですね。それぞれの議員に支援者がいて、ステークホルダーがいる。年代によるギャップもあるので、そもそもの認識の違いから埋めていくわけですが、説得を尽くして乗り越えられるかどうかは、努力次第です。
特定の政策テーマについては、党派を超えて意見交換することも少なくありません。
仕事は、国会の会期中はとくに忙しいですね。学生時代はスノーボードのインストラクターをやっていたのですが、今シーズンはまだ山に行けていません…。ウェイクボードも趣味なので、「海にも行きたいな」と思うのですが、地元にある無人島の清掃活動をするついでにちょっと海に入れるくらいで。
ただ、起業家の方なども近いと思うのですが、公と私の区別がよくわからなくなるくらい熱中しているのが理想的だと感じています。
私は、政治家は「社会起業家の一種」だと思っていて、社会課題の解決をビジネスでやるか政治でやるか、手段だけの違いと考えています。34歳、政治家として6年目。立ち上がったばかりのベンチャーのようなものですね。
■山で言うと2合目くらい
連続3期当選、政務官就任と順調に見える政治家人生だが、今後の目標と現状について分析してもらった。
小林:私と同世代でこの国で暮らしている人は、「すごく非効率な社会だなあ」と感じていらっしゃると思います。年金や社会保障も複雑でわかりづらい。
私たちの世代が普段ふつうに使っているテクノロジーをしっかり活用すれば、もっとも効率的でフェアな社会になると思います。
日本の将来は暗い、と言う人が多いですが、これだけ多くの課題を抱えているからこそ、日本という国は、テクノロジーを徹底的に実装し効率化することで、必ずよくなると確信しています。
政治家になって6年目、山で言うと2合目、「ようやく登り方がわかってきた」くらいです。政治の世界は暗黙知が多く、なかなかそうしたルールを教えてもらえないのですが、議員に加えて政務官も経験することで、やっと自分のスタイルが見えてきました。
これからも、人やテクノロジーの可能性が自由に発揮されるよう、過去の慣習や時代に合わなくなった規制をどんどん見直していきたいと思います。
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(取材・文/しらべぇ編集部・タカハシマコト)