大相撲・八角理事長、不適切アナウンスを謝罪 「命より伝統」の旧体質に批判殺到
人命救助で土俵に上がった女性に対し、行司が土俵から降りるようにとアナウンス。日本相撲協会の八角理事長が事態を謝罪した。
2018/04/05 14:00
日本相撲協会が、また世間を騒がせた。伝統を重んじるあまり、優先すべきことを見失った行司の言動に、批判の声が殺到している。
■「女人禁制」の土俵
事の発端は4日、京都府舞鶴市の舞鶴文化公園体育館でのことだ。大相撲の春巡業の土俵上で、挨拶をしていた多々見良三舞鶴市長(67)が突然、倒れ込んだ。
すぐに、スタッフを含む複数の人が市長のもとへ駆け寄り、そのなかで、救命救急の心得がある女性が心臓マッサージを開始。
相撲協会関係者によると、この様子を見た観客の一部が「女性が土俵に上がっていいのか」と声をあげ、それを聞いて慌てた行司が「女性の方は土俵から降りてください」と2回続けてアナウンスしたという。
応急措置のあと、病院に救急搬送された多々見市長は命に別状はなく、意識もあって会話できる状態だと、舞鶴市役所が発表している。
■八角理事長が謝罪
今回の「場違いアナウンス」に対し、日本相撲協会の八角理事長(54)が謝罪のコメントを発表。
八角理事長は、多々見市長へのお見舞いと、応急措置を行った女性へのお礼の言葉を述べてから、「行事のアナウンスが、人命がかかわる状況には不適切な対応だった」とお詫びの言葉で締めくくった。
■ 大相撲への批判の声
今回の騒動に対して、女性向け匿名掲示板『ガールズちゃんねる』では、大相撲の「命よりも伝統を守る古い体質」への批判の声が相次いでいる。
「命と伝統どっちが大事か…」
「面白半分に土俵に上がったのならまだしも…。人命救助中に…おかしいよ」
「さすがに人の命がかかってるんだから、土俵から降りろとか言ってる場合じゃないだろ。人間の命より伝統が大事なの? 何のための伝統だよ」
「普段は土俵に女の人が上がれないという、しきたりもまあいいとして、人の命がかかっているときに、伝統やしきたりとか言ってる場合じゃないと思うんだけど」
■相撲に興味がある人は?
日馬富士の暴行問題や、今回の「場違いアナウンス」など、良くない印象が強くなる相撲界だが、もともと相撲に興味がある人はどのくらい、いたのだろうか。
しらべぇ編集部では、以前、全国20~60代の男女1,344名に「相撲に興味があるか」の調査を行っていた。結果、「興味がある」と答えた人は、18.4%と少ない割合であった。
今後、相撲界の負の連鎖が続かなければいいのだが…。
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(文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部)
対象:全国20代~60代の男女1,344名 (有効回答数)