「株主優待の桐谷さん」とデートしたら財テク凄すぎて笑った
『月曜から夜ふかし』でもおなじみの投資家・桐谷さんの財テクに、アラサー記者が迫る。
この記事は、金融リテラシーゼロの迷えるアラサー記者・大木がお届けします。
皆さん、『月曜から夜ふかし』(日本テレビ系)など人気バラエティ番組でおなじみ、「株主優待の桐谷さん」こと桐谷広人さんをご存知ですか?
元プロ棋士で、現役時代は羽生善治さんと対局するほどのキャリアを持ちながら、現在は株主優待を生活に活用し投資家として活動されている方です。
優待券を消化するべく、日々、自転車で爆走している桐谷さんの姿をテレビで観たことのある人も多いのではないでしょうか?
私もテレビでお見かけするたび、そのユーモアセンスに母性本能をくすぐられ、いつかお目にかかりたい…と思っていましたが、今回なんとお会いするチャンスが巡ってきました!
ファンの1人として、デートをさせていただくことになったんです。おっしゃ〜! こんな機会、滅多にありません。
プライベートな質問から株主優待のお話まで、ガッツリ伺いたいと思います。
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■やっぱり自転車で登場? ところが…
約束時間5分前には、待ち合わせ場所に来てくれた桐谷さん。遠くから手を振ってくださいます。
って、あれ、今日は自転車ではないんですね?
尋ねたところ、このあとお仕事があるそうで安全を考慮し公共機関を使っているとのこと。
「私を待ってくれている人がいるから、事故るわけにいかないんですよ…。えぇ」
と、控えめな笑顔で語る桐谷さん。テレビで拝見している時より、ちょっぴり照れ屋な印象にグッときます。
オシャレなカフェに連れて行ってくださることになりましたが、一応デートですから、その前にちょっとワガママを…。
大木:「腕…組んでもいいですか?」
桐谷さん:「あぁ、いいですよ。えぇ」
黒いジャケットが頼もしく思えて、「お試しデート」とはいえ内心テンション爆上がりです。(すみません…)
■お食事スタート
個室に到着すると、
「すみませんね…。私、花粉症でして」
と、リュックからポケットティッシュを取り出される桐谷さん。
ま、まさかこのティッシュも優待で…?
「えぇ。『日本製紙』の優待でいただいたティッシュです」
とニッコリ。こんな身近なアイテムにも、優待品を利用されているんですね。
お互い少し緊張感が残る中、桐谷さんがパスタ付きのランチプレートを注文されたので、私も便乗して同じものを注文することに。
――パスタ、お好きなんですか?
「えぇ。テレビを観ていると、よく『トマトが身体に良い』なんて言われているので、トマトソースのパスタを食べることが多いですね。
よく行くのは三光マーケティングフーズの『パスタmama』と、コロワイドという企業が運営する『ラ・パウザ』というお店の2店です。
1,000円分の優待券を持っているので、『パスタmama』で1,004円のパスタを注文すれば、現金の支払いが、たった4円で済みましてね。
ポイントカードもあって、優待券で支払っても注文額に応じてポイントが加算されデザートやドリンクが1品無料になるので、ほとんど現金同様に使える点が嬉しいですねぇ。
そもそも、株主優待券は、500円券や1,000円券という単位で発行している企業が多いんです。
私のような優待投資家が、優待券を利用して飲食店でオーダーをする時は、『いかに現金での支払いを減らすか』考えながら調節しております」
なるほど。上手に利用するため、そのような点に注意しているのですね。
■身に付けている物は「フル優待品」
――ちなみに、本日の服装も、全身優待品?
「えぇ。︎ポロシャツは、『タカキュー』というブランドのものです。
定価約3,990円のものが、セールで2,990円になっており、さらに2点同時購入すると5,000円になるため、おトクだなと思って優待券でいただきました。
ここの優待券の有効期限は、4月末なんです。優待券は大体期限が決められていて、期限が過ぎると『ただの紙切れ』になってしまうんですね。
番組に密着していただいたり優待についての原稿を執筆したり、日々忙しくさせてもらっているので、期限直前まで券を使用できない時もありまして。
いただいた優待券を無駄にせず消化するために、自転車を使って都内を走っております。
ただ、有効期限ギリギリに行くと、洋服などはバーゲンセールをやっている時期にぶつかるんですね。
そうすると『優待券+セール』のおかげで、かなり安く購入することができるんですよ。
なので、これから優待生活を始める方は、優待券に併せバーゲンも利用するのがオススメです」
まだお会いしてたった数分なのに、すでにザクザク「優待を利用した裏ワザ」が桐谷さんお口から止まりません…! スゲェ…。
■メガネに靴下、ベルトに育毛剤に至るまで…
本日履いているズボンは、「山喜」というカジュアルシャツの製造・販売などをしている会社のもので、もちろん優待を利用してゲットしたアイテムだそう。
「お台場のビーナスフォートにはアウトレット店がいっぱい入っておりましてね、『STYLE WORKS』というところで、定価の約7割引きでこのズボンを購入しました。
ただ、裾上げだけは優待でできないのでねぇ、それだけ現金1,080円を出してやりました。身に付けているものの中で、裾上げが一番高いんですよ、えぇ(笑)
靴は『HIMARAYA』いうスポーツ用品で買ったウォーキングシューズで、1,000円の優待券を4枚出して買いました。
そのほか、メガネや靴下、ベルトに育毛剤に至るまで、すべて優待品です(笑)」
■「優待を使わない1日」はあるの?
ちなみに、「株主優待を利用しない1日は想像できますか?」と質問したところ、
「優待券を使わなくても、優待の品であるお米などを自宅で食べて1日中家にいるので、そういった意味では必ず使っております。
おかずも優待品ですし。 私は『優待生活』について講演なんかしてますからね、詳しくお話するため株の売買の記録をつけたりしていてね。
『優待ノート』と言って、さまざまな優待の新設状況や解約状況について詳しく調べてるんです。
毎日これをつけるだけで、1日のうちかなり時間がかかりますねぇ。詳しくないと、講演なんかできないんでねぇ…。
この株はどういう優待で価格はいくらで、どれだけのクオリティなのか。そういうことを調べたり、売買帳や金銭帳も付けてます」
びっちりと文字が書かれたノートも見せてくれました。真面目な姿勢にキュンとした…。
ということで、デートの途中らしく、はい、アーン♪
■ヤバすぎる財布の厚み
一通り食事が終わると、おもむろに中身がパンッパンに詰まった財布を見せてくれた桐谷さん。
そこには札束ならぬ「優待券」がぎっしりと詰まっていました。「優待券専用財布」なんだそう。
手前から順に、今日使うかもしれない優待券を入れており、奥のほうに期限のない券やギフトカードを入れているんだとか。
「今日は、4月末が期限の『パルコ』の優待券などが入ってますねぇ。4,000円分しか入れてませんが、使うと補充するようにしています。
ほかには、『ヤマザワ』という企業から優待でいただいた1,000円のギフトカードや、ジェフグルメカード。
有効期限のない本屋の商品券に、ビックカメラの商品券、老舗ビヤホールを運営する『サッポロライオン』の20%引きの券など、いろいろですねぇ…」
私も優待券の一部を持たせてもらいました。凄まじい枚数のため重い…。
驚いたのは、桐谷さんの記憶力の高さ!
「これは6月末が有効期限です」とか「この企業の特徴はですね…」など、膨大な情報量を正確に把握しており、丁寧に説明してくださいます。
■︎優待券を使ったデートプラン
「優待券を使ったデートプラン」について質問したところ、桐谷さんならでは返答が。
「大手町の東京サンケイビル6Fにある『吉今TOKYO』は雰囲気が良いので好きですねぇ。
あとは例えば映画を見に行くんであっても『奢りますから、一緒に行きませんか?』では、ちょっとストレートすぎる時もあるじゃないですか。
そんな時『優待券の有効期限が今月までなので、使わないと紙切れになるので一緒に行って下さいませんか? 助けてくださいッ!』と言えば、女性が紙切れになってしまうのを防ぐ意味合いで、一緒に行ってくださることもあるんですよね。
私の周りで素敵な方は結婚されている方も多いですがね、自分が良いなぁと思う女性と、良い友達としてスカイラウンジに行ったりするのは、恋愛関係になくても楽しいですね。
私が現金では1円も支払っていないので、あちらも気が楽だと思いますし」
たしかに、優待制度を1人きりで消化するだけでなく、周囲とのコミュニケーションのために利用するのもアリかもしれませんね。
■個性豊かな優待制度
そのほか面白い優待では、サノヤスホールディングスという会社が発行している『お台場の大観覧車の利用券』。
「サノヤスという会社は、3万円出して株を買うと、1,840円分の優待券がいただけるんですよ。
大人は1名920円のパレットタウンの大観覧車なので、ちょうど大人2人分が無料になるわけです。
しかも、3万円で1,840円だから、結構利回りも良いわけなんですね。
これも6月末までに行かなければ紙切れになるので、この優待券を使い『差し上げます。一緒に行きませんか?』と言ってデートに誘うのも1つの手かもしれませんねぇ」
優待制度を使った「デート誘いテク」なんて考えたこともなかったけれど、たしかに現金で奢ってもらうより気軽な気持ちで楽しめちゃいますね…。
「一緒に行ってくれないと、紙切れになっちゃう!」は、最強の誘い文句かもしれません。
■桐谷さんは「肉食系男子」と判明
そのほか、さまざまなジャンルの企業の優待について詳しく教えてくれる桐谷さん。その博学さには、驚きを隠せません。
ちなみに女性のタイプを聞いてみたところ、
「化粧が薄い人が好きですね。えぇ。あなたみたいな、美女が好きです」
桐谷さん、意外と肉食系男子かよォォォォォォ。
しっかりと女性の喜ぶポイントを抑えていました。会話の節々に、優待券を「使わせていただく」という言葉を使うのが印象的で、投資先の企業への謙虚な姿勢を感じました。
まだまだ聞きたいことも沢山あるけれど、今日のデートはここまで。
■桐谷さん、お仕事へ…
あっという間に時間が過ぎてしまい、別れを惜しんでいると、
「このあと、僕が講師をするセミナーがあるんです。良かったら来てみませんか?」
と、お誘いいただくことに。向かった先は「投資初心者向けの講演会」。ここでも、桐谷さんは若者に大人気!
しかも、そのセミナーに行かなければ聞くことができない超おトクな『桐谷流・優待の心得』が満載でした…。
イベントの様子について、気になる人は「東証マネ部!」をチェックしてみて下さいね!
※本記事は、株式投資および株主優待一般に関する情報の提供を目的として作成したものであり、特定の株主優待への勧誘を目的としたものではありません。
※記載内容に関しては取材時の状況によるものであり、優待が貰える条件に関しては株式購入時に確認する必要があります。また「株主優待制度」は企業の任意で実施しているものです。
(取材・文/しらべぇ編集部・Sirabee編集部 提供/株式会社東京証券取引所)