「不条理な死」に勝利し赦される「クソ素晴らしい」結末 『アンナチュラル』に喝采
「赤い金魚事件」の全貌が明らかに…! 勝利と平穏をつかみ取るラストに、インターネット上では「クソ素晴らしい」と絶賛の声があがる
■夕希子の再解剖、法廷での戦いへ
最後の証拠を失ったと落胆していた矢先、夕希子の遺体はアメリカで土葬されていたことが発覚。急遽、遺体を掘り起こし夕希子の再解剖が行われることに。
ミコトは、中堂が解剖を行った8年前にはなかった最新技術を駆使して夕希子の歯の裏側に付着していた高瀬のDNAを検出することに成功。
法廷の場でも夕希子の殺害を否認し続ける高瀬に対し、ミコトと烏田は、高瀬が幼少期に母親から「口にゴムボールを入れられる」等虐待を受けていた過去を指摘。そのうえでミコトは「不幸な生い立ちに興味はない」などと切り捨てつつ…
「被告人は今もなお、死んだ母親の幻影に苦しめられています。30歳を過ぎても、子供の頃のまんまなんです。誰も彼を救えなかった、あなたも自分自身を救えなかった…あなたの孤独に、心から同情します」
と、「感情論」で高瀬に揺さぶりをかける。
すると、堰を切ったように高瀬は「やりたくてやった、殺したくて殺した」「26人、誰もマネできない、俺はやり遂げた」と26人全員の殺害を自白。ミコトと中堂、そしてUDIは法廷で勝利を勝ち取り、宍戸も「殺人幇助」の容疑で逮捕された。
■ミコトの「感情論」屈辱の第3話との対比に感激の嵐
ミコトが法廷に立つシーンは第3話でも描かれており、そこでは対峙した烏田より「女は感情的」などと論破され、屈辱的な展開に追いやられていた。
最終的にはミコトに代わって中堂が法廷に立ったことで冷静に勝利を勝ち取ったのだが、最終話にして「中堂に代わってミコトが法廷に立つ」「理屈ではなく感情論で揺さぶる」という見事な対比に、感激の嵐が巻き起こっている。
なんなの…かつて感情的な女法医学者だと追い詰められて不利になり中堂さんと協力したミコトが最終回では自ら一人の力で犯人である男を感情的にさせて見事に自白まで持っていくとかカッコ良すぎでしょ…… #アンナチュラル
— さや子 (@sa_ya_koko) March 16, 2018
#アンナチュラル
裁判のシーン、あれは(神倉所長に言われたとおり)烏田検事が「自分の仕事をした」場でもあった。感情的に追い込むことで相手に言わせたいことを言わせる彼の手法がどれほど有効か、ミコトは身にしみて知っている。そして高瀬の場合、それをおそらく「女性」が担うほうが効果的。— ケンモチカオル (@astronomiisto) March 16, 2018
1話でいきなりヒロインの過去が出てきたのに決してストーリーのメインにはならず、ただなぜミコトがあの仕事に向き合うのかを示す大きな要素としてずっとそこにあった。この描き方も見事だった。プライドの源泉。ぶつけようのない怒り。こらえきれない涙と優しい手。あれは名シーン。 #アンナチュラル
— mira (@mira_2346) March 16, 2018
裁判でミコトがぶつけた「不幸な生い立ちなんて興味は無いし、動機なんてどうだっていい」という台詞は、高瀬の心情を揺さぶるためだけではなく、犯人や被害者のプライベートやプライバシーを、必要以上に取り上げるマスコミと、そこに反応する世間への強烈なアンチテーゼでもあった。#アンナチュラル
— おなか (@HNamachiri) March 16, 2018
セリフの節々から、様々な意味合いを拾い上げる視聴者たち。
深い意味を孕んだセリフが散りばめられている同作では、放送後にTwitterのタイムラインにて、他の人の解釈を見て改めてストーリーや伏線への解釈を深めていく…という作業が、熱心な視聴者の間で定着していった。