法で裁けない「殺人」 いじめの残酷さを描き尽くした脚本に感嘆『アンナチュラル』
学校でのいじめの実態に深く切り込んだ第7話。無情な実態に感嘆の声があがり、「生きろ」の言葉が響く…
様々な社会問題に切り込む、野木亜紀子氏の巧みな脚本に毎度感嘆の声があがる、TBS系ドラマ『アンナチュラル』。
23日放送の第7話では、私立高校の生徒が突然「殺人実況中継」を始めるという、常軌を逸した展開からスタート。一見「サイコパス」な演出で、被害者の無念を描き尽くした内容に、視聴者から絶賛の声があがっている。
■「殺人ライブ配信」ミコトへの挑戦状
ある日、法医学解剖医・ミコト(石原さとみ)の元へ、「これを見たら電話をください」と書かれたURLが送られてくる。
送り主は、予備校講師をしている弟の秋彦(小笠原海)から紹介された、私立高校に通う白井(望月歩)という男子生徒。ミコトがリンクを開くと、白井は自らを「殺人者S」と名乗り、自分が殺したという「Y」の遺体の「殺人実況中継」をしていた。
白井はミコトに対し「Yの死因は何でしょう?」と挑戦状を叩きつける。制限時間は「ライブ配信の視聴者数が10万人に達するまで」で、答えを間違えたら、人質の「X」も殺すという。
■かき消されていく「SOS」
亡くなった「Y」は、クラスの目立つグループとつるんでいた「横山」という男子生徒であると判明。ミコトが勤めるUDIラボの久部(窪田正孝)や東海林(市川実日子)も、血液反応から殺害現場の特定、配信場所の捜索など、全力でバックアップにあたる。
視聴者数が一定数に達すると、白井はミコトに「ヒント」を与え、徐々に凶器や死因も特定されていく。殺害場所と思しき倉庫から大量の血液が付いたマットも発見される中、学級委員の女子生徒(森高愛)から「横山は、日常的にいじめを受けていた」との証言が。
ミコトたちが「いじめ」と「殺人」の関係性を探る中、学校側からは「イジられていただけ」や「男の子の同士の遊びでよくあること」といった返答ばかりで、まるで「いじめ」があった認識がない。
さらに、駆けつけた少年課の警察官からも事件自体をぞんざいにあしらわれ、「いじめ被害者のSOS」が、大人たちによって無残にかき消されていく様子がしっかりと描かれた。