酒米の名産地・和島で地元に愛される酒蔵 哲学者の名にちなむ『和楽互尊』の歴史

少し難しい名前だが、かつての蔵元の親交からついた名だとう。

■周りは屈指の酒米産地

和楽互尊

長岡市和島地区。この地に分け入ると、一見、山間にありるように思われるのだが、びっしりと田んぼが敷き詰められている。平地が続いている。風の抜けも良く、高温の続くよう厳しい夏でも、稲が蒸れる心配がない。

そして何より、豊かで良質の水で知られる。 この一帯は、新潟でも米の産地としては日本一有名な魚沼に次ぐとも。いくら酒米が高価とはいえ、美味しいお米がとれるところで、酒米を育ててもらうのは難しい。

そんな酒蔵が、この地域の農家に酒米作りを託するのだという。その名を聞けば、いかにこの地の米が認められているのか、驚くほど、名だたる銘醸蔵が連ねている。

「当社も、敷地内で掘った井戸の水を使っていますが、この一帯が、水の心配は全くないですね。 うちは小さい蔵ですから、地元の水を使って、地元の米、できれば和島地区の越淡麗を使って酒を造り、地元の人に飲んでもらう。


ずっとこうしてきているんです。もっとも人が減っているから、だんだん難しくなっていますけれどね」


地元消費率でもトップをいく新潟。プレミア付きのお酒を土産に買ったり送ったりするケースも少なくない一方で、こうして、地元の人に飲んでもらうことが酒造りの糧となっている酒蔵が多いからこその結果と言える。

本当に地元の酒を愛する飲み手と、地元の人に飲んでもらうことを喜びとする造り手が、確かにいるからなのだ。


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■創業は江戸末期の天保元年

和楽互尊

間もなく200年を迎える歴史ある蔵だ。 広場のように開けられた中央のエリアを囲むように蔵が立ち並ぶ、ゆったりとした構成。 昔ながらの佇まいの中では、和窯を使うなど、ほとんどの作業が手作業で行われている。

「目に見えるほうが、造る身にとっては安心ですよね。酵母も、泡なしも使いますが、やっぱり泡がちゃんと上がるほうが、造っている実感、安心感があるんですよ」


また、昔ながらの蔵を利用している酒蔵でも、窓ははめ殺しになっているケースが多い。かつてのように、窓の開け閉めで温度調節をする必要もない現代では、むしろ密閉した方が使い勝手が良い。

そんな中、今も開けることができるこの酒蔵の建物は、現代を共に生きていることを感じさせる。 「機械化しているのはエレベータだけ。蔵の窓も掃除の時に開ける程度ですけどね」と笑う蔵元。

目に見える範囲で無理をせず、あるものを活かしていく姿勢が貫かれている。

池浦社長:良質の米と水が揃っていますから、あとは、私が一生懸命、良いお酒を作るだけ(笑)。うちはずっと、地元に愛される、味のある辛口です。お試しください。


蔵元が進めるお酒を紹介しよう。


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①『和楽互尊 金印』

和楽互尊

「お互いを尊びあえば和楽を導く」という哲学者、野本互尊氏の教え。地元で一番飲まれているとのこと。精米歩合60%の普通酒。


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②『和楽互尊 こしひかり 特別純米酒』

和楽互尊

有数の酒米の産地。とはいえ、やはり最も作られているのはコシヒカリ。地元産の米で造りたい、となれば代表格はコシヒカリ、ということで、地元産コシヒカリの55%で造られた、なんとも贅沢な純米酒。


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③『天上大風』

和楽互尊

40%まで磨いた地元産越淡麗で、じっくりと仕込んだ純米大吟醸。丁寧な造りが活きた味わい深さ。 晩年をこの地で過ごしたという良寛さまの書から取った銘柄だが、文字もそのままラベルとなっている。

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(取材・文/Sirabee編集部

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