アユが泳ぐようにスイスイと飲める『鮎正宗』 湧水仕込みを受け継ぐ品質一途の酒蔵から
蔵の敷地内に湧く仕込み水が飲みやすさと旨さの決め手。
■代々受け継がれる「彦左衛門の水」
「仕込み水は蔵の敷地内に自然に湧き出す天然水です」と飯吉常務。
妙高山を源にして地下深くから自然に湧き上がる伏流水で、汲み上げることなく毎時6トンの水量を誇るそう。木桶に貯められてほとばしり出る水の、なんとクリアなこと。初代の名を冠して「彦左衛門の水」と呼ばれている。
「このあたりではどこの家庭でも、こうした湧き水を使っています。当社では、水源地に近い河上に位置しているので、汚さないで川に返すために排水を浄化する装置を備えています」
裏庭にはこの水を利用した池があり、安全性を確かめるために放したというニシキゴイが、気持ちよさそうに泳いでいた。
■きめ細やかにニーズに応える新商品
鮎正宗酒造には日本酒ビギナーや女性に人気の商品も多い。 そのひとつに、2015年に発売された『スイートフィッシュ』がある。
瓶内二次発酵によるスパークリング日本酒で、アルコール度数は6%。清涼感あふれるフルーティーな味わいと相まって、日本酒が苦手な女性にも飲みやすいと好評のようだ。
この商品を企画したのは、飯吉常務の愛娘・由美さん。6代目を継ぐべく修業中というが、女性の視点を生かしたアイデアを多く提案している。
商品名は英語でアユを意味するが、その語感は風味とぴったり。『鮎正宗』ブランドへの入り口商品として末永いヒットが予感される。
その他にも気になるのは『純米にごり酒 さくらいろ』。業界でもいち早くピンク酵母を使用し、見事な桜色を出すことに成功したもの。甘酸っぱくまろやかな味わいと相乗して、こちらも女性のハートをつかみそうだ。
さらには純米にごり生酒の『毘 びしゃもん』も、やや甘口の微発泡うすにごり。「白雪のような柔らかい甘さと口当たり」のキャッチフレーズに、飲んべえ心をくすぐられる。
また地元産コシヒカリの玄米で造った甘酒『玄気の舞』なんて、ネーミングの楽しい商品もある。