今代司酒造「錦鯉ボトルの日本酒」はなぜ生まれた? 今と昔、人と人を結ぶ酒の力とは
新潟市・沼垂地区で、新社長のもと注目を集める『今代司酒造』を取材。
2018/01/07 22:00
■発酵食品の街・沼垂地区で時代にあった酒の楽しみを創造
2014年から、大手情報出版社出身の田中洋介氏が社長に就任。今の時代を司るという「今代司」を、「常に時代と共に」=「今の時代に合った酒とその楽しみ方を提供する」、と解釈し、次々と斬新で魅力のある作品を発表している。
田中社長:この、沼垂(ぬったり)という地区は、かつて港町で、いろんな文化が入ってきた入り口であり、新しい文化と長く続く伝統が混ざり合って新しいものが生まれてきた場所。常に時代を捉えてきた場所なのです。
そこで長く酒蔵としてやってきたことの意義は大きいと思います。だからこそ、時代に合った新しいものを取り入れて、生み出して、発信していかなければならない。
「『今代司』があってよかったね」とみなさんに言っていただけるような会社になれたら、と思っています。
■蔵見学で新潟酒を良い思い出に
同社が酒を通して成したいこととして掲げているのが、「結ぶ」ということ。古と今、人と人、地方と都市、それらを結ぶ酒でありたい。
数年前に一帯の区画整理があり、それを機に歴史と伝統を尊重しつつ、現代にも適した形の社屋に改築。その際、蔵見学も積極的に受け入れることとし、見学コースがセンス良く見やすく整備されている。
それは、新潟駅からも徒歩15分という近い場所にあり、新潟を訪れた人たちにとっては入り口、そして、最初に出合う酒蔵となるだろう、ここで新潟酒の良さを知って持ち帰ってほしいという想いから。
歴史を感じさせる展示物は、現代と古を結び、同時に、訪れた人たちと新潟を結ぶ一つの形でもある。蔵元が自信を持って勧める日本酒を、いくつか紹介しよう。